米インフレ率は一段と鈍化、FRBの次の一手は より明確な物価圧力緩和の兆しまで利上げ継続へ

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米連邦準備制度は12日発表の昨年12月の米消費者物価指数(CPI)が一段と鈍化したことを受け、利上げペース減速に向かう見通しだが、より明確な物価圧力緩和の兆候が見られるまでは利上げを継続する公算が大きい。

0.25%の利上げの確率高まる

米フィラデルフィア連銀のハーカー総裁はCPI統計発表後に「この先は25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げが適切になる」と述べた。前日にはボストン連銀のコリンズ総裁が次回連邦公開市場委員会(FOMC)会合で25bpの利上げを支持する方向に傾いていると発言していた。

ピクテ・ウェルス・マネジメントの米国担当シニアエコノミスト、トーマス・コスターグ氏(ジュネーブ在勤)は「サービスインフレのトレンドは和らぎつつあるようだ。金融当局がきょうの統計で注目するのはこの点だ」とした上で、「これはこの先、2月1日の25bp利上げの確率が高まったことを意味する」と説明した。次回FOMC会合は1月31日、2月1日両日に開かれる。

リッチモンド連銀のバーキン総裁もこの日、「インフレ抑制に取り組む中で、より慎重にかじを切るのが理にかなう」と述べ、利上げペース減速の支持を示唆した。一方、セントルイス連銀のブラード総裁は、物価上昇圧力の抑制を確実にするために政策金利を5%超へと速やかに引き上げるべきだとの見解を引き続き示した。

市場参加者は現在、次回FOMC会合での25bp利上げを見込んでいる。またトレーダーは、確率は低いものの、3月会合で利上げを見送る可能性も織り込み始めた。金利スワップの動向は、この先2回のFOMC会合での計50bp未満の利上げを示し始めている。

インフレ鈍化は今年の利上げペース減速に道を開くものだが、市場が予想している年内の利下げの可能性は金融当局のガイダンスとなお相反している。政策当局者らはかなりの期間、政策金利をかなりの期間にわたって高止まりさせる必要性を強調しており、今月公表されたFOMC議事要旨では政策金利を当面高い水準に維持するという当局の意思を過小評価しないよう警告する発言も明らかになった。

昨年12月の米消費者物価指数(CPI)統計では、コアCPIは前月比0.3%上昇、前年同月比では5.7%上昇したSource: Bloomberg
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