25歳時から40歳時にかけての「年収アップ額」を見ていくと、セールスフォース・ジャパンが1位(+619万円)となり、そのアップ額は25歳時年収から2倍以上となっています。
「年収アップ額」の2位は電通(+542万円)、3位は野村総合研究所(+537万円)、4位はアマゾンジャパン(+522万円)、5位はトヨタ自動車(+491万円)という結果になりました。
アップ額の大きい企業のクチコミを見てみると、中途入社の場合「転職で入社したら年収が上がった」「成果主義で年功序列がない」という声がありました。
一方、新卒入社の場合「職位や入社年次に応じて一気に上がる年代がある」という声があり、入社形態と人事制度によって特徴が分かれているようです。
「前職の日本企業と比べて年収が2倍になりました。基本給に30時間の残業代が含まれています。超えた分を申請することが可能ですが、月間30時間の残業時間を超える場合あまりございません。経歴、年齢性別に関わらず、成果を出せば評価されますし、先に昇進できます。昇進と同時にもちろん給料も上がります。評価基準がはっきり設定されていますので、社員たちが公平に評価されている感じがします」(セールスフォース・ジャパン、エンジニア、女性)
「給与は高め。福利厚生も充実しており、ウェルビーイング(運動やマッサージ等)に使えるお金も毎月一部支給される。その他の福利厚生も様々あり、全てを使いこなすことができればかなり手厚い手当になっている。実力を見たきちんとした評価制度。ポジションにもよるが、比較的上のポジションで入ると役職自体は上がりにくい印象」(セールスフォース・ジャパン、カスタマーサクセス、女性)
「基本給に加えてRSU(譲渡制限付株式ユニット)の付与が評価に応じてある。部署によるが、同年代の平均年収は超えてくる。個人ターゲットへの達成率、チームへの貢献度、担当プロジェクトのビジネス貢献度など自分から仕事を進められたか、来期以降の改善につなげられる動きができたかなど、全てにおいて数字で表せる結果が出せた人が評価される。ある意味シンプルで風通しが良いと感じる。年功序列は一切ない」(アマゾンジャパン、営業、女性)
「若手のうちは規定通りの階段を上がっていくケースが多い。しかし新卒入社の場合10年目くらいから、昇格にばらつきが出始める」(野村総合研究所、テクニカルエンジニア、女性)
25歳から40歳にかけて年収ダウンするケースも
30歳時想定年収が低い会社や、25歳から40歳にかけての年収アップ額が低い会社にはどのような特徴があるかも調べてみました。
クチコミを見ると、社内ではある意味「公平」に評価されているようでした。ですので、一概に悪いことだとは思いませんが、一部の生命保険会社の営業職においては、25歳から40歳にかけて年収が低下しているケースも見られました。
また、30歳時想定年収が低い会社は、性別に関係なく生命保険会社系の営業職や、サービス業の販売職に多く見られました。性別というよりは、業界や職種によって大きな差が出ているようです。
海外の先進的な企業では、経営上の重要戦略としてDEI(ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン)を位置づける企業も増えてきています。投資家、経営者・人事、求職者、それぞれにとって、性別に関係なく活躍し、それに見合う報酬を受け取れている会社がますます注目されていくのは間違いないでしょう。
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おおさわ はるき / Haruki Oosawa
1985年生まれ。東京大学大学院卒業後、リンクアンドモチベーション入社。中小ベンチャー企業向けの組織人事コンサルティング事業のマネジャーを経て、企画室室長に就任。新規事業であるインキュベーション(ベンチャー投資)事業やモチベーションクラウド事業の立ち上げ、経営管理、人事を担当。2019年11月オープンワーク副社長。2020年4月より現職。2022年12月、東証グロース市場に上場。
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