中国「ビザ発給停止」韓国より厳しい日本への報復 中国駐在の日本人や在日中国人からは批判の声

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ただ、打ち出されたビザ発給停止の中身を見ると、韓国への対抗措置は「同等」を意識しているのに対し、日本向けは「報復」を超えて一方的だ。

中国駐韓国大使館は10日夕方、韓国人向けのビザ発給一時停止を発表した。停止するビザは「訪問、ビジネス、旅行、診察、トランジット、私用などの短期ビザ」としている。

韓国政府が中国人向けの短期旅行ビザの発給を停止したことから、同等の「短期」に絞って制限したと解釈できる。

駐韓国大使館から遅れること数時間。同日夜に中国駐日本大使館が発表した文面は、「日本人向けの普通ビザの発給を一時停止する。いつ元に戻るかは追って通知する」となっている。普通ビザは、政府職員や政治家に発給される「外交ビザ」「公用ビザ」を除く幅広いビザを指し、長期(半年以上)滞在の記者ビザ、就労ビザ、留学ビザも含まれる。

日本は中国からの入国あるいは入国者に対し、検査や陽性者の隔離を行っているだけで、その対象は日本人も含まれる。中国人向けのビザの発給も停止していない。

「嫌がらせをするべきではない」との声も

中国の「対抗措置」がバランスを欠いていることは明らかで、中国駐在歴が長い日本メーカーの工場長は、「筋違いの報復というのが、いかにも中国的ですね」と苦笑いする。

中国企業の日本支社で働く30代の中国人女性は、「中国人として恥ずかしい。メンツを大事にするのは中国らしいけど、自身を『大国』と思っているならこういう嫌がらせのような方法は取るべきではない」と憤った。

突然のビザ発給停止で問い合わせが殺到しているのか、中国駐日本大使館の電話番号は11日午前中つながらない状態が続いた。中国企業の日本法人に勤める社員は、「ツテをたどって中国外交部に問い合わせたが、『具体的なことは大使館が決めている。大使館に聞いてくれ』との返事だった」と話した。

これらの状況から判断すると、中国外交部から具体的な措置を“丸投げ”された駐日本大使館が、見切り発車で普通ビザの発給を一律で停止した可能性が高い。前述したように、日本向けの措置は韓国と比べてもバランスを欠いており、日中ビジネスに携わる中国人は「遅くとも春節後には修正されるのではないか」と推測する。

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