三菱電機、若手・中堅が挑む「組織風土改革」の全貌 改革は道半ばだが「変化の兆し」は見え始めてる

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組織にたとえ小さくても風穴が開き、少しずつフレッシュな風が入り始めると、変革への意識、意欲は高まり始める

そこで、メンバーたちは姫路製作所をより良い工場にするための検討を行ういくつもの「場」を用意し、より多くの人たちを巻き込み始めている

「健全な職場風土」は自分たちの手で創るもの

各職場では「自分たちから始める風土改革」を展開し、自分たちの手で自分たちの職場をより良くするための具体的な取り組みを進めている。

「健全な職場風土」は誰かが与えてくれるものではなく、自分たちの手でつくるのだということを実践するのが狙いである。

実際、「小さな変化」は生まれ始めている。自己紹介カードの導入ちょっとした業務改善カフェスペースの設置といった職場環境改善などの足元改革が進んでいる。

足元から変化をつくり出す一方で、姫路製作所の未来を考える動きも出始めている。

次長や課長クラスを中心に姫路製作所の未来を検討する「みらいづくりグループ」、若手メンバーが主体となって姫路製作所の歴史や強みを掘り起こし「姫路らしさ」の言語化を検討する「WAYグループ」感謝や称賛の言葉が飛び交う組織を目指すためのツールの導入など、組織変革に向けてさまざまなイニシアチブが動き始めている。

変革の動きは、まだまだ緒に就いたばかりである。改革派はまだまだマイノリティであり、従業員間の温度差は大きい。5000人を超える工場の風土改革は一朝一夕には進まない。

しかし、当初はわずか10名ほどの変革プロメンバーだけで始まった変革の輪が、今では160名近くにまで広がっている。管理職層だけでなく、「この製作所をよくしたい」と思う若手も含まれている。この160名は姫路製作所の運営を担うキーパーソンなので、変革の輪が今後加速度的に広がる可能性がある。

姫路製作所は、もともと力のある工場である。そこで働く人たちが「誇り」と「主体性」を取り戻し、「健全で良質な組織風土」を取り戻すことができれば、競争力強化につながることは間違いない。

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