SNSを使う子と使わない子「脳発達」決定的な違い 10代の子を対象にした研究で判明した

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「SNSを頻繁に使っていた子どもたちが、ホッケーとかバレーボールとかの新しいチームに加入して、社会的な交流が大幅に増えていたとしたらどうか。社交性の高い人は、そもそもSNSを頻繁にチェックする傾向が強いため」、今回の研究は「社交性の発達過程を観察しただけかもしれない」とハンコック氏は言う。

ハンコック氏は今回の論文を「極めて洗練された研究」と評し、SNSに対する感受性には個人差があることを示す最近の研究成果を支持するものだと話す。

「頻繁にSNSを確認する傾向を生み出す神経学的状態を持つ人々がいる。私たちは皆同じではなく、SNSによる影響も皆同じだという考えは捨てるべきだ」とハンコック氏は語った。

SNSは毒にも薬にもなる

脳が急速に発達する思春期の体験は、SNSによって過去10年で様変わりした。

ピュー研究所によると、アメリカではほぼ全てのティーンがSNSを使用しており、97%がSNSに毎日アクセスし、46%が「ほとんど絶え間なく」アクセスしている。調査からは、黒人やラテン系のティーンのほうが白人のティーンよりもSNSに費やしている時間が長いことも明らかになっている。

SNSが子どもたちのメンタルヘルスに与えるさまざまな影響も研究によって報告されている。SNSの使用とうつ病や不安障害との関連を示す研究が存在する一方で、そうした関連はほとんど見られないと報告する研究もある。

レズビアン、ゲイ、バイセクシャルのティーンを対象に行われた2018年の調査では、自己肯定感が高まるなどSNSが心の支えになる反面、SNSのせいでヘイトスピーチにさらされやすくなることもわかっている。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校で思春期の脳発達を専門とするアドリアナ・ガルヴァン氏(今回の研究には非関与)は、生徒の生活についてSNSの使用状況以外の情報がもっとないと「脳発達の違いがSNSの使用によってどれくらい具体的に引き起こされているのかを解明するのは難しい」と話す。

今回の研究の著者の1人であるテルザー氏は、社会的なフィードバックに対する感受性が高まることは「良いことでも悪いことでもない」と言う。「これがニューノーマルであり、この新たなデジタル世界がティーンにどのような影響をもたらしているかを理解することが大切だ」。

(執筆:Ellen Barry記者)
(C)2023 The New York Times

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