日本にも存在「破局噴火」で壊滅リスクある火山6つ 住民の大量死や深刻な寒冷化を引き起こす
カムチャッカ半島から、アリューシャン列島、アラスカに至る北太平洋地域は環太平洋山帯の一部であり、世界で最も活動が盛んな「火山の巣」でもある。これまで記録に残るだけで300以上の火山が噴火している。20世紀以降の世界の巨大地震のトップ10のうち、この地域だけで5つを占める。この一帯には300以上の火山が存在し、カムチャッカ半島だけで29の活火山が活動している。毎年のようにどこかで噴火する。
ユーラシア大陸最大の活火山であるクリュチェフスカヤ山をはじめ、カリムスキー山、ベズイミャンヌイ山、シベルチ山などいつ噴火が起きてもおかしくない火山が並んでいる。とくに、カリムスキー山は、最初の噴火から数千年しかたっていない若い火山。過去200年あまりで20回以上も噴火した記録があり、2019年3月にも3000メートルに達する噴煙を上げた。
アリューシャン列島から千島列島にかけては323の火山がある。チュギナダック島の活火山クリーブランド山は、M4.0~5.5程度の激しい群発地震がつづいた後、2011年8月に10年ぶりに噴火した。ウムナック島のオクモック山では2008年に、1万5000メートルの噴煙が観測された。
極北の島国アイスランドには、130ほどの火山がある。北海道と四国を合わせたほどの小さな国に火山がひしめき、地球上で最も火山活動の密度の高い国である。そのなかには、世界の気候を脅かした著名火山も少なくない。
現在でも、約30の活火山が断続的に活動している。このため、火山、間欠泉、温泉、溶岩洞窟、溶岩原などの火山ツアーが楽しめる。首都のレイキャビクでは、エネルギーの大部分を地熱発電でまかなっている。
この島は、ユーラシア・プレートと北米プレートの境界の上に位置する。プレートが生まれる海嶺のほとんどは海底にあるが、アイスランド島では世界で唯一地表に露出している。「火山博物館」といわれるゆえんだ。ここの特徴は、大規模な「割れ目噴火」を起こすことだ。空から見ると、火口が一列に並んでいる。大地が東西に引き裂かれてその割れ目からマグマが噴出してきたことが見て取れる。
危険視されている火山の1つが、この国最大のカトラ火山だ。「カトラ」はアイスランドの民話に登場する魔女を意味する。過去に16回の噴火が記録され、現在でも活発な活動をつづけている。最近になって、火山から大量の二酸化炭素が放出されていることがわかった。地下のマグマ溜まりが一杯になって、大噴火が迫っていると警告する研究者もいる。最近では2011年に小規模な噴火があった。
カトラ山のすぐ隣で、2010年にエイヤフィヤトラ・ヨークトル山が噴火した。長さ約800メートルの亀裂から溶岩が噴き出した。噴火口は氷河の下に隠されていて、衝撃で氷河湖が決壊して大洪水になった。アイスランドは人口が約36万人と少なく、噴火の直接的な被害は少ない。だが、国土の約11%が氷河に覆われ、3600立方キロの水が凍りついているため、噴火が引き起こす二次的な洪水が恐ろしい。火山灰や煙の影響で欧州の空の便を大混乱させたことは記憶に新しい。
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