日本にも存在「破局噴火」で壊滅リスクある火山6つ 住民の大量死や深刻な寒冷化を引き起こす
もしも最悪の破局噴火が起きるとしたら、その最有力の候補は「地上最大の活火山」といわれるアメリカのイエローストーン国立公園だ。世界初の国立公園に指定され、世界自然遺産に登録された世界で最も人気の高い国立公園の1つだ。カルデラを中心に広がる8991平方キロの公園は、あちこちで噴気が上がり熱水のプールが点在し、観光名所の間欠泉が1~2時間ごとに熱水を噴き上げる。草原では、バファロー(アメリカ野牛)やワピチ(大型のシカ)がのんびり草をはんでいる。
これまで、約210万年前、約130万年前、約64万年前の計3回、破局噴火を起こした。
3回目は比較的小規模だったが、それでも巨大噴火の代名詞でもある1883年に起きたインドネシアのクラカタウ噴火の50倍の規模があった。噴火の周期は約60万年で、最後の噴火からするとその周期を迎えている。地下1500メートルほどの浅い地殻に、この公園の面積に匹敵する巨大な「マグマ溜まり」があって刻々とエネルギーをため込んでいるとみられる。
このカルデラの北西部では、東京23区よりも広い地域が20年以上にわたって、年間10センチ前後の上下動を繰り返している。アメリカ地質調査所の科学者は、溜まった大量のマグマの移動によって上下動が起きるとみている。群発地震の頻度が増加し、噴気が活発化するなど危険な兆候が観察され、新たに立ち入り禁止区域を設置され、観測機器が増設されている。
イエローストーン国立公園が噴火した際には、人類の存亡の危機になると火山学者から警告されている。それは最大10億人の命を奪い、北米大陸を荒廃させる可能性がある。英国の科学者によるシミュレーションは、もしもイエローストーン国立公園で破局噴火が発生した場合、火砕流だけでも雲仙普賢岳噴火の1000万倍以上になり、3~4日以内に大量の火山灰がヨーロッパ大陸にまで運ばれる。
火山から半径1000キロ以内に住む90%の人が有毒ガスや火山灰で窒息死し、地球の年平均気温は10~12℃下がり、寒冷化は6~10年つづくと考える研究者もいる。「世界のパン籠(かご)」といわれるアメリカの農業地帯は崩壊することになる。
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