睡眠不足をどうにかしたい人に読んでほしい2冊 朝の習慣でぐっすり眠れてすぐ回復する体に

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よい睡眠には朝の習慣がとても大切。ここでも、スマートフォンのタイマー機能を使い、好きな音楽を鳴らすことがすすめられています。よくあるアドバイスですが、著者によれば、その際は洋楽ではなく「邦楽」を選ぶほうがいいのだとか。理由は、脳が日本語の歌詞を無意識下で認識することで少しずつ覚醒していき、すっきり起きることができるから。

さらにこだわるなら、ゆったりとしたリズムではじまり、そこから徐々にテンポアップしていく曲がベストだそう。このような曲調の音楽を聴くことが、朝のいい目覚めにつながるとの研究報告があるというのです。

朝食の摂り方もポイント

朝食のとき、積極的に摂取したいのが、トリプトファンという栄養素。必須アミノ酸のひとつです。体内に入ると自律神経の働きを活性化させ、心のバランスを整えるセロトニンというホルモンに変化。そして、日中に体内で分泌されたセロトニンは、夜になると酵素の働きによって、自然な睡眠を促すメラトニンに変化するのです。こうした働きが、夜になると自然に眠気が訪れる効果をもたらしてくれるわけです。

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トリプトファンを多く含む食品は、納豆や味噌などの大豆製品や、チーズやヨーグルトといった乳製品、卵、ナッツ類など。トリプトファンはインスリンによって脳へと運ばれるので、インスリンの分泌をうながす白米もあわせて摂取するのがいいようです。セロトニンの合成に不可欠なビタミンB6を多く含んでいるカツオ、マグロ、鮭といった魚を一緒に食べれば文句なしの朝食です。

つまり、焼き鮭、みそ汁、納豆、白米といった典型的な和の朝食メニューは、良質な睡眠をとるうえでは理想的な食事。洋食が好みなら、ベーコンエッグ、ヨーグルト、チーズトーストなどがいいそうです。

また、規則正しい朝食には、体内時計を調整する効果も。朝は太陽光をしっかりと浴びて起床し、それから1時間以内に朝食を済ませることが大切です。

本書で紹介されているメソッドは、どれも一定の効果が見込めるものばかりだと著者は太鼓判を押しています。よりよい睡眠習慣を身につけるために、無理なく実践できそうなことから試してみるといいかもしれません。

Points
・よい睡眠には朝の習慣が重要 
・アラームは好きな邦楽がベター
・朝食ではトリプトファン摂取を心がける
(231ページより)
印南 敦史 作家、書評家

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いんなみ あつし / Atsushi Innami

1962年生まれ。東京都出身。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。「ライフハッカー[日本版]」「ニューズウィーク日本版」「WEBRONZA」「WANI BOOKOUT」などで連載を持つほか、「ダ・ヴィンチ」など紙媒体にも寄稿。『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(ダイヤモンド社)、『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)、『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』(日本実業出版社)、『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(星海社新書)など著作多数。

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