採用面接で聞きづらい質問を聞くテクニック 「健康状態」や「家庭環境」は聞き方次第でOK

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応募者の話を聞いて家庭の事情で「急な早退もあり得る」「残業が難しい」「休日出勤が難しい」ということなら、会社として、どのようにすれば、その方を活かした勤務をさせることができるのかを考えればよいのです。

健康状態と同様に、働いていただくにあたって必要な情報は、前もって会社も応募者も確認し合うほうが、後々の勤務、仕事が行いやすくなります。

「自認性格」からも人となりがわかる

自認性格を聞くのは、その「性格そのものが大事」だからではありません。本人が自分の性格をどう捉えているかということを知りたいためです。

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どんな性格でもよいのですが、自分の性格をネガティブに捉えていないことが大事です。たとえば、応募者が自分の性格を「暗い」と認識していたとします。その暗い性格自体が悪いことではありません。暗いという性格を、よいふうに捉えられているかということが大事なのです。

暗い性格も、考え方を変えれば「落ち着きがある」「物事を冷静に捉えることができる」「浮ついていない」などと捉えることもできます。そういった考え方ができるかどうかを見ることが大事です。

この「自認性格」の聞き方ですが、これも面接者側から自己開示をしていくとスムーズに聞き出しやすくなります。「健康状態」「家庭環境」「自認性格」といった気を遣う質問も、相手にしっかり配慮した聞き方をすれば、問題になることはありません。

一見、応募者側に不利な事情があったとしても「会社として、どのような対処をすれば、あなたの能力を十分に発揮してもらえますか」ということを伝えていきましょう。会社の器の大きさを、応募者に感じていただきましょう。

福留 文治 特定社会保険労務士

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ふくどめ ふみはる / Fumiharu Fukudome

特定社会保険労務士。社会保険労務士法人サフィール共同代表。社会福祉法人(介護事業)在職中の平成16年に社労士登録。企業の総務人事を約12年経験。平成25年独立開業。これまで受けた労務相談は1万件超。人事労務管理、採用の現場を知る社労士として法律、制度にとらわれない実務的かつ的確な提案がモットー。採用では、求人原稿の書き方、面接時の質問の仕方など「ことば」「言い方」にこだわった支援を行っている。

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児玉 里美 社会保険労務士

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こだま さとみ / Satomi Kodama

社会保険労務士。社会保険労務士法人サフィール共同代表。塾講師、社労士事務所、労働局勤務などを経て、平成27年に独立開業。300社以上の企業の労務管理や採用支援に携わる。「人事労務は、感覚ではなく仕組みで解決する」を念頭に、ミスマッチが起きない採用支援を行っている。

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