「虐待した親」の心を開くにはどうしたらいいのか 信頼関係を築くにはまず「見ること」が重要だ
虐待した親に「響かない言葉」
「なんとか、問題を解決したい」「なんとか今よりよい状態にしたい」。
それは虐待した親への支援者として当然の気持ちです。その時支援者は、親に対して以下のような対応をしてしまいがちです。
① 「子どもってね、〇〇ですよね」と一般化する
② 「よく頑張っているね。すごいね」と褒めるように心がける
③ 十分に話を聞かずにアドバイスをする
④ 「また言ってるな」と取り合わないようにする
⑤ よくわかってもらうようにと、丁寧な説明を頻繁にする
⑥ 傾聴に終始する
これらは私たちが日常的に使っている支援のスキルです。ですが、実は「親との『回路』のできない働きかけ」です。このような対応は親とのつながりを生まず、親と私たちとを遠ざけます。ここでいう「回路」とは、親と対話ができる、お互いに話を聞くことができる信頼関係といった意味です。
親のほうは、こんなふうに感じるかもしれません。
① 「うちの子は違う。そんなこと言われても……」
② 「褒められても、なんか裏があるとしか思えない。上から言われている、評価されているみたい」
③ 「それができればやっている」
④ 「支援者はやはり、あてにできない」
⑤ 「『わかりました』って言っておこう」
⑥ 「本当に聞いてるの。何か言ってよ、あなたはどう思っているの?」
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