それよりも、3品作りたいなら、うち1品は出来合いの総菜にしたほうが材料費は増えないし、料理にかかる光熱費や調味料の節約にもなる。総菜を作る業者は一気に同じものを大量に作るので、当然コストは下げられる理屈だ。
ついでに家庭向けにおかずを宅配してくれる業者のメニューを何社か調べてみた。主菜おかずと副菜が3、4品セットになっていて、受け取ったらレンチンしていただく冷凍タイプが多い。4食、6食、10食などの単位で届けてくれるのだが、1食当たり約400~800円台というところだ。多人数家族だと割高になるが、1人暮らしなら自炊するより安く済むのではないか。
メインとサブのおかずを3品作るとしたら、普通はこの金額ではすまない。送料はかかるが、1週間分まとめて届くし、ご飯を炊く必要はあるが片付けの手間もかからない。カロリーや栄養面も管理栄養士などのプロが監修している。見切り品ばかりの手作りより見栄えがすることは確かだ。
食費を抑える=手作り必定、ではなく、「ひょっとして、1品買ったほうが安くすむのでは?」というバランス感覚を持つことも必要だろう。
いいものを買えば長く使える、は昭和の教え
洋服の場合、高額でも質のいい定番品を買うほうが、長く使えて結果的に節約になる──とはよく聞く。女性雑誌でもこうしたニュアンスで語られることは多い。しかし、残念ながら、今では賞味期限が切れた節約常識の1つだ。
わが家にも、長らくメイドインジャパンの質のいいスーツがしまわれていたが、結局ずっと人目に触れずに処分された。着る機会がないからだ。いくら定番とはいっても、洋服のシルエットはどんどん変わっていき、見るからに形が古めかしい。とても人前に着ていけない。
それをいちばんよくわからせてくれるのがリサイクルショップで、どんなに高かった品でも10年前の服には値が付かない。長くも着れないし、売ってもお金にならないのだ。SDGs時代と言えども流行は短サイクルで、どんどん古びていく。いいものを長く着るより、そこそこのものを短く着て売ってしまうほうが、節約面では悲しいかな正解といえる。
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