初婚中年男性と見合いを続けた女性の「最終結論」 年を重ねた男女が成婚しにくい背景にあるもの

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そこからしばらくは、仲のいい独身の女友達と旅行に出かけたり、趣味を楽しんでいたりした。しかし、コロナになって行動規制がかかったときに、急に心細くなった。そこで、真剣に結婚を考えるようになったという。

入会面談では、こんなことも言っていた。

「お相手は、できれば初婚者がいいです。再婚者でも、お子さんがいない人。夫婦は離婚すれば他人だけれど、子どもは違う。離婚しても親子の縁は切れない。前の経験があるから、お相手がお子さんの話をしたら、そこにジェラシーを感じてしまうと思うんですね」

まずは交際してみます

こうして、まずは同世代の初婚者にターゲットを絞り、見合いをしていくことにした。最初に見合いしたのは、金融関係の仕事をするひろゆき(46歳、仮名)だった。

「生まれて初めてのお見合いでしたし、1時間お話ししたくらいではお人柄もわからなかったので、まずは交際してみます」

ひろゆきからも交際希望が来て、2人は仮交際へと進んだ。ところが、最初のデートをして、よりこが交際終了を出してきた。

「デートのお店選びも、待ち合わせ場所も、すべて私に丸投げでした。『僕ははやりの店を知らないので、おすすめのところがあったら、連れて行ってください』って言われて」

そこで、よりこはリーズナブルなイタリアンの店を選んだ。もしかしたら、ごちそうになるかもしれない。そんなときに、負担が大きくなるのは、申し訳ないと思ったからだ。

「“ごちそうになるかも”というのも、取り越し苦労でした(苦笑)。会計のときになったら、伝票を見て『7000円ちょっとだから、3500円ください』って言われたんです」

また、食事をしているときの会話もまったく噛み合わなかったという。

「お見合いのときから気にはなっていたんですが、話が膨らまないんです。例えば『これまでどんなところに行かれたんですか?』と聞かれたので、『国内だったら温泉地巡りが好きです。コロナになる前は、年に1回は海外にも出かけていました』と言ったら、『ああ、そうですか。僕は海外には一度も行ったことないな』。これで旅行の話は終わってしまった」

こんなふうに会話は、どんな話題も一問一答形式だったという。

「趣味の話になったときも、『私、パン教室に行っていたことがあって、一時期パン作りにハマっていたんですよ』と言ったら、『そうですか。僕はパンは店でしか買ったことないです』で、話が終わってしまって。ここで『パン教室って、どんなことをするんですか?』とか『何のパンを焼くのが得意ですか?』とか聞いてくださればいいけど、続く質問がなく、まったく違う質問をしてくるんですね」

次から次へと質問が繰り出されて、話題もすぐに尽きてしまった。しかし、話がお金のことになると状況が一変した。

次ページ貯蓄の話に食いついてきた
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