ムカムカしていたけど、自分のデスクに置きっぱなしにして外出し、次の日もそのままにして営業に出かけたんです。そうしたら、夕方、その仕事が仕上げて置いてあったんです。彼女は帰宅していたんですが、付箋で「新人なんだから、まずは自分でやってみることも大事!」と書いてありました。
立ちすくんでそれを見ていたら、女性上司に呼ばれて「聞いたわよ」と怖い顔をされ、「彼女はこの組織のアシスタントなのよ。彼女もほかの人たちと同じようにあなたを育てたいと応援してくれているのに、あの仕事の依頼の仕方はあり得ない。どうやったらあなたが思う仕事が一緒にできるか、彼女の立場に立って考えなさい。それができないようじゃ、売れる営業になんてならないね」とこっぴどくしかられたのです。
ゴールの共有と共感が大切
最初は全然ぴんと来なかった(笑)。でも「やりたくない」わけじゃなくて「気持ちよくやれない」という気持ちや「私のためにならない依頼だった」との判断は想像できました。
それからは、びびりまくりながらですが、私はまず彼女のスケジュール状況を聞いてから「こんな仕事をしたい」という打合せを少しさせてもらうようにしたんです。そうしたら彼女は「それならこういう資料を前に作ったよ」「あの人に事例を聞いてみてごらん」などとアドバイスを色々としてくれて、「ここはやっといてあげるから、あなたはここをやりなさい」と言ってくれるようになりました。怖かったですよ~。また、しかられるんじゃないかって。
でも決して私のことがキライだから、怖いオーラを出しているわけではないとわかってきました。ゴールの共有ができているから、「あの仕事、受注できました!」「あの事例を話せたので納得してもらえました!」と報告するようにもなり、彼女は私の仕事の喜怒哀楽に共感してくれるようになりました。
しばらくして「特訓中の今年の新人、割とデキがいい」と言っていたと聞いて、とても嬉しかったですねぇ。そこからは「ごめんなさい!あれを急ぎで準備してほしい」と粗いお願いをしても、「了解」と答えてくれるようになって、随分と助けていただきました。
あなたは、将来、多様な価値観を持つ人たちを束ね、組織力を向上させていく仕事を任されていく人なのです。だから上司もアシスタント陣の不満をあなたにきちんと伝えてくれている。男性社員と自分を比べ、「女性の私にアシスタントが冷たい」なんてつまらないことを言っていたら一歩も成長できないし、依頼できないからといって仕事を全部抱えていたらいい仕事だってできない。
女性らしい、相手の気持ちや立場をおもんぱかる、という特技を自覚して、あなたにしか作れない関係を、彼女たちと築いてみる努力を惜しんではなりません。なんでもそうですが、物事を好転させるためには、あなた自身の行動からすべてが始まるのですよ。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら