「強くなっても儲からない」日本スポーツ界の難題 スポーツ小説の名手が語る、世界大会の注目点

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──もう1つ大きなイベントがラグビーのワールドカップです。

前回ベスト8だから、それを超えることが目標だと思う。ワールドスポーツの世界は、基本的には強国に有利なようにできている。例えばサッカーは、ヨーロッパから離れている日本は彼らと強化試合ができない。アジアのレベルは低く、世界ランクは低いまま放置される。

世界ランクが低いから、グループリーグで分けると強豪チームがひしめく死のグループに入る。同じようにラグビーもランキングで上位に行かない限り、予選を死に物狂いで戦うしかない。そのあたりは厳しい。

日本がベスト8に進出した前回のラグビーワールドカップ(写真:共同)

弱者がはまるワナ

──国籍に縛られないのがラグビーの特徴です。

ナショナルチームは国籍を問わず、日本で活躍する選手を中心に形成されているので、強くなればなるほど、その力はリーグに反映される。リーグが活性化すれば、さらに海外の有望な選手も入ってくる。そこがラグビーの強みだ。

ただ、ラグビーも含めて日本のスポーツビジネスはまだ弱者。大谷がメジャーで活躍しても、日本のメディアが支払う多大な放映権料はアメリカ側に流れる。大谷のグッズで儲かるのもアメリカの球団。野球の世界でも日本がアメリカの属国になっている姿だよね。サッカーもヨーロッパに従わざるをえない。

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