「強くなっても儲からない」日本スポーツ界の難題 スポーツ小説の名手が語る、世界大会の注目点

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本城雅人(ほんじょう・まさと)/作家。1965年生まれ。スポーツ紙の記者としてプロ野球取材などに携わる。退職後、松本清張賞候補作の『ノーバディノウズ』でデビュー。『ミッドナイト・ジャーナル』で吉川英治文学新人賞受賞。『傍流の記者』で直木賞候補。 『スカウト・デイズ』PHP研究所/『ビーンボール スポーツ代理人・善場圭一の事件簿』文春文庫

──大谷選手や佐々木朗希選手らとメジャーのオールスターたちとの戦いは本当に面白そうです。

例えば大事な準決勝の先発ピッチャーは大谷、決勝は佐々木だったり。マエケン(前田健太)やマー君(田中将大)も臨戦態勢を整え、日本一の原動力になったオリックスのピッチャーも出番を待つ。そんな投手陣ならわくわくする。

力勝負もできるチーム

日本が昔ながらの「技」に特化したチームだとは思わない。大谷が典型的だが、身長190センチ以上の選手がたくさんいる。「柔よく剛を制す」というよりは、力と力の激突が可能ではないか。その意味でも「真の実力を競う大会」と呼ぶにふさわしい。

サッカーのワールドカップのレベルを目指すのなら、放映権も含めた収益の分配も公平であるべきで、それはまだ道半ばだが、これも大会を継続することで改善されていくだろう。

日本の優勝の確率は、初期の頃と比べたら、低い。相手が格段に強くなってるからね。しかし、優勝の価値は1回、2回よりはるかに高い。

WBCは日本人がここまで大きくした大会。スポンサーを集めて、実際にアジアラウンドを勝ち抜いて、1回、2回は優勝まで果たした。日本のファンは大手を振って、「われわれがこの大会をつくった」と誇っていい。

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