「100歳まで生きる」のに必要なたった1つの考え方 加齢で体が衰えるのを運命として受け入れる
だからこそ、特に60歳を過ぎてからは、がんになったとき自分は治療をするのかしないのか、晩年をどのように生きていきたいのか、いざというとき慌てないためにも決めておくのがよいでしょう。
もちろん、私は高齢者の手術をすべて否定しているわけではありません。たとえば、大動脈弁狭窄症の患者が、TAVIというカテーテルを用いて大動脈弁を置換する手術は、場合によっては80歳以上にも有効です。
大動脈弁狭窄症とは、心臓と大動脈を隔てている弁(大動脈弁)の動きが悪くなり、全身に血液を送り出しにくくなる状態のことです。さまざまな原因で起きますが、近年は動脈硬化が原因のケースが増えています。
大動脈弁狭窄症は、軽度の場合は無症状であることが多いため、他の病気の検査などで見つかるか、重症化してから発見されることが多いです。重症化すると、狭心症(胸の痛み)、心不全症状(息切れ)、失神などが現れ、治療を行わないと突然死の危険性があります。なので、何歳になってからでも手術が必要になります。
このように、病気の種類によっては確実に手術を受けたほうがいい場合もあります。手術を行うかどうか、主治医とよく相談してから、ご自身が納得したうえで受けるようにしましょう。
6種類以上の服薬すると副作用が多くなる
あなたは今、何種類の薬を飲んでいますか? もし6種類以上の薬を飲んでいるなら、ぜひ薬を減らすことを検討してみてください。
東大病院老年病科が2412人の患者のデータを検討したところ、服薬が多くなるほど副作用の発現率が高まり、特に服薬数が6種類を超えると急激に副作用が多くなることがわかっています。日本では6種類以上の服薬をすることをポリファーマシー(多剤服用)と呼んでいます。
そして、2016年の厚生労働省の統計データによると、薬の処方を受けた75歳以上の患者の約4分の1が、6種類以上の薬を処方されていたのです。
もしあなたが、薬をたくさん飲み始めてから、「ふらつき」「記憶障害」「抑うつ」「食欲低下」「便秘」「排尿障害」などの症状が出てきたのなら、薬の飲みすぎである可能性があるので注意しましょう。
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