「100歳まで生きる」のに必要なたった1つの考え方 加齢で体が衰えるのを運命として受け入れる

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人生100年をどう生きるのか(写真:8x10/PIXTA)
「病気は、治すべきもの」という認識が根強くある一方で、治療よりもQOLを重視する方法も注目を浴びています。愛媛大学医学部附属病院 抗加齢・予防医療センター長の伊賀瀬道也氏は、「70歳を過ぎて、がんの手術や抗がん剤などの治療をすると、一気に老け込んでしまうことが多い。そもそも治療をすべきか、主治医とよく相談して慎重に検討すべき」と言います。『100歳まで生きるための習慣100選』を上梓した伊賀瀬氏が解説します。

70歳以上からの治療の考え方

現在、日本人の2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなっています。がんは高齢者の健康を左右する大きなテーマです。私は、60代までは手術や抗がん剤治療をしてもいいと思います。手術や抗がん剤治療は、その代償として体にダメージを与えて老化を進めますが、治療の効果でがんを克服できる可能性があるからです。

しかし、70歳を超えてからの治療は、より慎重に検討する必要があります。手術や抗がん剤治療をきっかけに、それまで元気だった人が、一気にヨボヨボの老人になってしまう姿を何度も見てきました。体が弱って免疫力が落ちてしまうので、その治療自体はうまくいったとしても、副作用や他の病気で亡くなるリスクが高くなります。

つまり、70歳以上からの手術や抗がん剤治療は、極論すれば次の2つのどちらを選ぶのか、選択を迫られることになります。

•ボロボロの体になってもいいから、手術や抗がん剤治療を受けて、少しでも長く生きたい

•仮に亡くなるのが数年早かったとしても、手術や抗がん剤治療は受けないで、元気な状態をできるだけ長くキープしていたい

いや、これは70歳以上だけでなく、すべての世代にいえることかもしれません。がんの手術や抗がん剤治療で「ぜったい良くなる」保証は、残念ながらどこにもないのです。

治療した結果、副作用で苦しまれて亡くなる人もいます。治療しなかった結果、案外長生きする人もいれば、あっという間に亡くなる人もいます。
標準治療を行うのが原則ではありますが、何が正解なのか答えがないのが、現代のがん治療の現実だといえます。

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