遠藤:理事長が就任後に始められたカイゼン運動は、その後、いかがですか?
宍戸:カイゼン報告数は、2013年度が対前年比2.5倍増、また、2014年度も約2.5倍増です。本店も熱心にカイゼンを進めていて、支店と本店が競い合い、いい方向に進んでいます。
遠藤:カイゼンの取り組みの共有、横展開も大事ですね。
宍戸:ええ、事務局にも、「まず自分たちが、他部署のいい取り組みをどんどんマネしなさい」と話しています。また、「フラット35」を利用してくださったお客様に、事務手続きについてのアンケートを実施していますが、そちらもかなり好転してきています。
遠藤:民間の金融機関との比較で、ですか?
宍戸:はい。2009年度から2013年度までは、まるで歯が立たなかったのですが、「フラット35」の取扱金融機関のみなさまのご協力も得て、2013年度以降は、民間以上に評価してくださる方が増えてきています。
遠藤:独立行政法人が民間を凌駕するというのはすごいことです。
ES(従業員満足度)を高めてCSを高める
遠藤:借入申込書のケースのように、ひとつの成功体験が生まれると、職員の仕事への納得感や現場の活力も高まりますよね。
宍戸:ええ、おかげさまで、職場での職員間の対話が増えて、組織は活性化してきています。ただ、まだ「カイゼン運動」は途半ばのレベルです。職員一人ひとりがもっとカイゼンの意識を高め、「仕事の主人」になって、毎日働く喜びを感じられるのが、組織と個人の理想ですね。
遠藤:現場力を上げる王道も、「ES(従業員満足度)を高めてCS(顧客満足度)を高める」ことです。宍戸さんのトップダウンに、現場のボトムアップがかみ合えば、サンドイッチになる管理職も、頑張って働かざるをえなくなりますね。
宍戸:うちの職員は皆、優秀なのですが、比較的冷めているタイプが多いのですね。最近は、少しずつ熱くなってきている手応えを感じています。さらに現場力を高めて、これからは政策金融機関として、国に対しても、さらに政策提言をしていきたいと思っています。
遠藤:国へのボトムアップですか。
宍戸:金融・住宅・不動産のニーズ(需要)や、シーズ(技術やノウハウ)が詰まった情報のいちばん近くで、私たちは働いているわけです。そんな情報を精査し、新たな住宅や金融政策に生かせる提言づくりに取り組みたいですね。
(構成:荒川 龍、写真:梅谷 秀司)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら