英国で緊急討論! 「告白」は気持ち悪い? 白黒させること、させないこと両方の意味

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白か黒かの二分構造のことを英語でダイコトミー(dichotomy)と言う。この構造で何かを考えようとすると、広がりのある中間を無視してしまうため、思考停止を生みやすい。比較的身近な例としては、「詰め込み教育」と「ゆとり教育」が挙げられるだろうか。僕の今の指導教官、苅谷剛彦先生の著書『教育改革の幻想』(ちくま新書、2002年)にもあるが、両者はイデオロギーの議論とも結び付いて、水と油の関係になった。

「ゆとり」という言葉の意味まで変わってしまった

それぞれのよいところは不都合な真実として無視し、お互いを否定し合い、政策としては、片側の方針のみが取り込まれた。そして、導入された「ゆとり教育」はいつの間にか「ゆとり」という言葉の意味をも変え、新たなレッテルとして社会に定着した。社会の多様化、社会構造の急速な変化、グローバル化、この流れの中には二分構造的な考え方は適さないだろう。考えたくないという欲望に埋もれてしまった不都合な真実の中に、思わぬお宝が眠っているかもしれない。

また、抽象的であやふやなものも問題だ。たとえば「グローバル化」という言葉がある。今、教育現場の改革が声高に叫ばれているが、それはある種の“グローバル病”に陥っている感も否めない。グローバル系の教育事業について話をする際に、参加する高校生や大学生、ひいては主催者に「グローバル化と国際化って何が違うのか?」と質問をしても、言葉に詰まる人がほとんどで、「グローバル化」という言葉の意味は定まっていないところもある。

「教育を改革し、ビジネスの世界やアカデミアでグローバルに活躍できる人間を育成しなければならない」と言う人もいるが、それが教育の「グローバル化」だとして、そういう人材は、はたして昔の教育の中では生まれてこなかったのだろうか? 名だたる日本企業は小さい事業から始めて、戦後、まったくなかった海外市場を切りひらき現地企業を圧迫するまでになった。

昔の教育の中でもノーベル賞研究者は生まれていた

昔の日本の教育を受けた人々の中からノーベル賞を取った方だって多くいるではないか? グローバルという言葉を付ければ何となく免罪符のように予算も通るし聞こえもいい。しかし、そこに本質はあるのか? 確かに、産業構造(第2次から第3次へ)の変化や、人口比率の変化が顕著で、昔と“同じ”議論はできない。しかし、あいまいで実体のない言葉のイメージだけで社会を動かすのも危険である。

一度、議論の幅を広げて拡散させ(抽象化もそのひとつ)、巨視的に観察し、最後に収束させる。最後の収束の精度を上げるために拡散はある。そして、あやふやではなく現場レベルに通じる具体的なラインにまでそれを収束させることができるか。事業を創るにしてもここに意識を向けなければならない。研究を行う場合も同じである。

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