アニバルとは本当にたくさんの思い出がある。お互いのキャリアについて何時間も話をしたり、国のことを話をしたり、深夜まで彼の恋愛相談にのったり、研究室対抗サッカー大会に出場したり、学会ついでに一緒に卒業旅行に行ったり、鹿児島の実家に呼んで温泉を満喫したり。地球の裏側から来た親友はいろいろなことを教えてくれた。
愛の告白は「気持ち悪い」!?
そういえば、イギリス生活5年目に入って「二分構造」の話題に少し関連する大きなカルチャーショックがあったので、ここで紹介したい。先日、現在の所属先で恒例の鍋パーティがあったのだが、同じコースに在籍するイギリス人の友人(女性)がこんなことを言った。
「学部生のときに、同じ日本語のコースにいる男子に手を握られて、日本語で告白されて超気持ち悪かった!」
そこで、「ん? 日本語での告白が気持ち悪かったの?」と聞くと、
「告白なんて普通しないよ~」
え? そこ?? 同席していたドイツ人の女の子も日本語で、「え、キモーい」と言っていた。
緊急討論! 告白はするのかしないのか? ということで、周りにいるあらゆる国籍の人に聞いてみたところ、南アフリカ、ヨーロッパ全域、アメリカでは、ほぼしない。中国、韓国ではすることも多いけど、日本ほど絶対的でもないらしい。
「“I love you.” も”Ich liebe dich.”も言わないの?」
と聞くまた日本語で、「重いわ!」と返された。
「じゃあ、どうやって自分たちが彼氏・彼女なのかどうかわかるようになるの?」
「そんなの何回かデートしてたらわかるでしょ。空気読みなよ!」
「……おぅ(日本人、それ得意)」
そういえば、アニバルの恋愛相談にのっていたときに、何度、付き合っていた彼女と別れたのかどうかを聞いても、それを彼が明言することはなかった。それも、始まりがハッキリしない分、終わりもハッキリしないからだったのかと腑に落ちた。きっと彼は、広いグレーの領域の中で振れていたのだ(その後、2人は幸せに結婚した)。非告白文化圏の人に恋をしたときは気をつけましょう。でも、最後の最後にはきっとピシっと決める(収束させる)に違いないのでご安心を。
白黒はっきりさせることの必要性と、間に広がる空間を重視することの必要性。この両方をうまくバランスさせる目線をつねに持っていなければならない。言葉は便利なものだが、それに頼りすぎると逆に伝わらないこともあるのだ。
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