目を奪う映像美「IMAX」CEOが語る日本での戦略 『すずめの戸締まり』など邦画も幅広く上映

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今も負債はバランスシート上ないですし、現預金も5億ドル(約700億円)ほどありますので、強力な状態は変わらない。ただそれができたのは、わたしたちがテクノロジーの会社だからというのはあると思いますが。

ただ日本の市場はほかとはかなり違っていて。ローカルのコンテンツ、特にアニメが強かったため、劇場の方々もハリウッド作品にそこまで依存する必要がなかった。結果、日本の映画業界は他国よりはいい状態で回復できていると思います。

――そういう意味で今年は『トップガン マーヴェリック』をはじめ、『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』など洋画の強力作品が続々と上映され、非常に充実した1年となりました。その中でもやはり映画は映画館で観るべきという哲学を体現した『トップガン マーヴェリック』の大ヒットは、IMAX社にとっても希望の光となったのではないでしょうか?

そうですね。ただわたしたちもグローバルな会社なので、今年は中国でロックダウンが行われたというのはけっこう厳しかったという面はあります。ただそういうことがありつつも、社内の意欲、モチベーションというのは非常に高くなっています。今では希望に満ちあふれていて、大変だった時期の苦労は忘れて、もう少し先に進んでいこうという雰囲気に満ちあふれています。

プロジェクトの初期の段階から関わる

――やはりIMAXの強みというのは撮影、ポスプロ、上映と一貫して対応できるところにあるのではないでしょうか?

わたしたちはこういった一気通貫のソリューションを持っているということに誇りを持っています。いくつかの作品はIMAXのカメラを使って撮影されていますし、さらにサウンドも重要な要素を持っています。またポストプロダクションのテクノロジーについても、フィルムメーカーの方々と一緒に連携して行っています。

わたしたちはプロジェクトの本当に初期段階から関わっていて、トム・クルーズやクリストファー・ノーラン、マーベルとも最初のプランニングの時点から関わっていて。どうやったらIMAXでいちばんきれいに見せられるかを考えながら制作に関わっているわけです。

また上映に関してもIMAXレーザーという技術を使って、最高の画質が実現できるようになりました。もしかしたら観客の皆さまにとってはとてもきれいな画面だねというぐらいにしか思わないかもしれませんが、それを実現するためには裏側で本当にたくさんの作業が行われています。

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