目を奪う映像美「IMAX」CEOが語る日本での戦略 『すずめの戸締まり』など邦画も幅広く上映

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わたしたちはそれを実現するためのイノベーション作りに集中をしています。そしてこれがこれからの業界としての進むべき方向だと思っていますので、パンデミックが完全に落ち着いたら、最高のエクスペリエンスを人々が求めてくるだろうと思っています。

――技術の進化とともに、家電やガジェットなどはどんどん小型化していくものですが、IMAXの場合は、逆に巨大なものを人々が求めるようになるわけで。それは面白いなと思うのですが。

おっしゃる通りです。つい最近もドイツのレオンベルクという都市に新しいIMAXシアターがオープンしたんですが、そこのスクリーンサイズが、(旅客機の)ボーイング737と同じサイズ。世界最大のIMAXシアターなんですが、やはりエンターテインメント体験は、携帯端末やiPadなどだけでは、絶対に物足りなくなってくると思うんです。

何かに没入してどこかに連れていかれる感じや、そのエクスペリエンスを実際の感覚として味わいたいと思うようになる。そうすると単に椅子に座りっぱなしでいるよりも、外に飛び出したいというふうに感じるのではないかと思います。

人々はもっとエクスペリエンスを求める

それは物質的に何かを買うということよりも、もっとエクスペリエンスを求めること。それが大きなトレンドの一部だと思っています。そしてその欲求がパンデミックによってさらに加速してるんでしょうね。だからこそわたしも日本に入国できるようになったらすぐに来日したわけですから(笑)。

――今年は『アバター』の続編となる『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』も公開されますし、IMAX社にとっても特別な年になるのでは?

そうですね。12月中旬に公開される『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』ですが、ジムも、1作目で使っていたテクノロジーをさらに改善したと言っていたので、前作よりもさらに特別感のある作品に仕上がったはず。わたしたちも今からものすごくワクワクしているところです。

壬生 智裕 映画ライター

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みぶ ともひろ / Tomohiro Mibu

福岡県生まれ、東京育ちの映画ライター。映像制作会社で映画、Vシネマ、CMなどの撮影現場に従事したのち、フリーランスの映画ライターに転向。近年は年間400本以上のイベント、インタビュー取材などに駆け回る毎日で、とくに国内映画祭、映画館などがライフワーク。ライターのほかに編集者としても活動しており、映画祭パンフレット、3D撮影現場のヒアリング本、フィルムアーカイブなどの書籍も手がける。

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