ヘアメイクの革命児、藤原美智子さん引退の真相 突出した存在になった彼女が新たに選んだ道

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つまり、彼女はその人間力と精神性で、超売れっ子から唯一無二の存在へとなりえたのか。

「クリエーティブな仕事でも技術やセンス以上に、人としての常識や礼儀は大切です。日々、何を考え、どんな生き方をしているかも。どんな仕事でもそうでしょうけど、ヘアメイクのように直接人に触れる仕事は、すぐにバレるんです。指先から心持ちが伝わっちゃうから」

メイクは欠点を隠すものではない

もちろん、その卓越したメイク技術や独自の世界観も彼女がアーティストとして突出した大きな要因だ。藤原美智子のメイクは、その時々の流行のエッセンスを絶妙なさじ加減で加えながらも、品格、清潔感、透明感など、経年で廃れない美を大切にしたものだ。

そして、何よりも“その人らしさを生かし、内面を表現するメイク”は、それまで主流だった“欠点を隠すために飾るメイク”とは、一線を画すものだった。さらに、そのメイクを読者が再現できるよう、その技術や哲学を解説した書籍もヒットを記録。藤原美智子の名前と人気はさらに広がっていった。

「20代の頃から、その人の内面を引き出すようなメイクがしたいと思っていました。そのためには、人の内面がわかる人間になること、自分の内面も磨き続けること。そこは、ずっと変わらない志です。

そう考えると、私がほかの方々と歩む道が違ったのは、意識の出発点や志の違いかもしれません。初めから私は、その人の内面にフォーカスしていました。美しさとはメイクだけではなく、ライフスタイルや生き方、心の持ちようで作られると思っていましたから」

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