近江商人「三方よし」が今、「世界最先端の経営」な訳 パタゴニア、テスラなど6つの企業に共通3要素
言わずと知れたイーロン・マスクの電気自動車会社である。イーロン・マスクというとスティーブ・ジョブズを凌ぐイノベーター、大言壮語の野心家、桁外れで大胆な投資家、暴れん坊というイメージが先行するが、その色眼鏡を外して見ると、テスラもまたパタゴニアやホールフーズと同様、パーパスドリブンな企業である。
テスラのミッションは「世界の持続可能なエネルギーへの移行を加速させること」。ビジョンは「世界の電気自動車への移行を推進することで、21世紀で最も魅力的な自動車会社を創造する」というものである。
イーロン・マスクは電気自動車・自動運転のプラットフォームのみならずバッテリー関連製品、ソーラーエネルギーの製品、電力網等必要なものはすべて自分で手がけて実現しようとしていることに構想の大きさと本気を感じさせる。
テスラの売り方もまた従来のマーケティングの常識を覆すものであった。何しろ有料の広告を一切しておらず、ディーラー網も敷かず、すべてネットで受注を受けるのだ。
それを可能たらしめているのが、1835万のテスラのツイッターフォロワー、1.1億のイーロン・マスクのフォロワーである。ちなみに日本を代表する自動車会社Toyota USAのフォロワーは92万人である。
イーロン・マスクはつねに自分の考えを過激に発信するという見事なコンテンツマーケティングを行うことでこのフォロワー数を達成している。またすぐれたカスタマーエクスペリエンスと紹介プログラムも、広告ゼロ路線のもう1つの柱である。
3つのマインドセットを体現
テスラはH2Hマインドセットの3つを体現している。
①人間中心(自分の行動や思考が他の人にも有意義であることを内面化)はイーロン・マスクの言動はまさに「自分の行動や思考が他の人にも有意義である」と確信している。
②サービス志向性(協働性・統合性・A2A的)についても優れたカスタマーエクスペリエンスの設計や顧客を営業マンとして使うA2A的な発想にあらわれている。
③アジャイル(俊敏性と実験主義)が強いのは、近年のツイッター社買収をめぐる意思決定のドタバタは「やってみてだめならすぐ引っ込める」というアジャイル的なマインドセットが成したもので、これが伝統的な金融界・産業界には異分子に見えたということだろう。良くも悪くもイーロン・マスクはH2H的なのである。
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