JR大阪駅「性的広告」に見る日本で炎上が続く真因 女性含め「複数チェック」しても防げていない
東京大学教授の瀬地山角氏は、炎上広告を下図のような4象限で整理しているが、右側の性役割に関する表現で炎上することは、以前と比べると大きく減っている。
【炎上広告の4象限】
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最近よく問題になるのは、左下の「外見・容姿」に関する、「男性」を訴求対象にしたものである。しかも、この象限で問題になるものの大半はキャラクターに関する表現であり、その多くは「二次元キャラクター」である。
「適正さ」の落としどころはどこに?
二次元キャラクター広告の性的表現が問題になる背景には、日本の漫画やアニメが「オタク文化」として成長しつつ、いまや世界的なコンテンツにまで発展しているということがある。
性的な表現も含めて、現在の漫画やアニメの表現形式は「日本の文化」ともいえるし、「表現の自由」として尊重するべき点もある。
一方で、グローバルの文脈、時代の流れの文脈に寄り添っていかなければならない段階にも来ており、「広告」という不特定多数の人の目に触れるメディアにおいて、先行して問題視されてきていると言ってよいだろう。
歌舞伎においても、庶民のアングラ文化から出発し、日本の伝統芸能として生き残るに至るまでには、多くの規制と洗練を経ている。
性的表現に関しても、「表現の自由」は尊重しつつも、時代の流れに沿いながら、訴求する人たちへの十分な配慮を行いながら、適正な水準に落ち着かせることが重要だ。
特に、適正水準を測るうえで、広告は「炭鉱のカナリア」としての役割も担っているといえる。つまり、広告より到達範囲の狭い表現においても、それが適正かどうかを考えるうえでの指標となりうるのだ。そうした点でも今後ますます十分な検討と配慮が必要ではないだろうか。
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