意味がないのに横行「アイデア出し会議」のムダ 「忖度や同調圧力」という名のヤスリで削られる

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とがった優れたアイデアや意見が、忖度や同調圧力という名のヤスリでどんどん削られていくのです。

したがって、会議はアイデアを生み出せる場ではないと思ったほうがいいでしょう。むしろ、会議はアイデアの芽を摘む場です。

そもそもブレストでアイデアを出し合って生まれた商品やサービスが、どれだけ売れるのか疑問です。

ブレストは遊び感覚でアイデア出しをするトレーニングにはいいかもしれませんが、そこから商品に結びついたという話をあまり聞いたことがありません。

顧客の気づいていない問題を見つけないでアイデアをいくら出しても、世の中に求められていない突飛な商品が生まれるだけでしょう。そんな一時しのぎの商品をつくるためにコストをかけるのは、企業としては大損失です。

だから、顧客の気づいていない問題を見つけるというスタート地点をぶれさせてはいけません。問題発見をしてからアイデアを考える。この順番がイノベーションにつながります。

何も材料がないのに、いきなり「今まで世の中になかった製品を考えよう」と言われたところで、思考が停止してしまうのは当たり前の話です。

私の今までの経験からも、問題を見つけられれば、その解決策はおのずと見つかります。

そのためにもみんなで意見を出し合いながら進めるのではなく、自分一人で脳に汗をかきながら問題を見つけるしかありません。

それは決して苦しい時間ではなく、自分にしか見つけられない宝を探しているようなワクワクする時間です。

そして、固くなった脳をストレッチして柔らかくする作業でもあります。

脳を柔らかくすれば、皆さんを悩ませているイライラやムカムカも、きっとなくなっていきます。

なぜスーパーが400社もあるのか

私は、ネスレでスイスの上司から「日本は先進国なのに、なぜいまだにスーパーマーケットが400社もあるんだ?」と聞かれたことがあります。

これは先進国ではレアケースです。

スイスの2大スーパーはミグロとコープで、フランスではカルフールやE.ルクレールなどの5大スーパーに集約されています。アメリカでは、ウォルマートやコストコなどの有名チェーン店以外に20社ぐらい展開していますが、あの広大で日本以上に人口の多い国でも、その程度です。

ヨーロッパは八百屋や肉屋などの個人店や市場が充実しているので、スーパーで買わなくてもいいという事情もあるのかもしれません。

そうだとしても、日本の400社はケタはずれの多さです。

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