前CEOがわずか11カ月で復帰「ディズニー」の異変 エンタメ業界の優等生に何が起きているのか

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ディズニーのCEOに再び就任したロバート・アイガー氏。2016年には上海ディズニーランドの開園式に訪れた(写真:Qilai Shen/Bloomberg)

ロバート・A・アイガーは、ディズニーの新CEOに就任して最初の24時間、光速のスピードで2つのことを実行した。彼は安定を取り戻そうとし、中核となる経営陣を再び協力させ、家父長的な安心感を全社メールで滲ませる一方、会社の創造的エンジンである映画スタジオやテレビスタジオを「尊重し尊敬する」ための組織や業務の変更を発表した。

さて、次はどうなるのだろう。

71歳のアイガーは、ウォルト・ディズニーから完全に引退してわずか11カ月しか経っていない。2020年2月にCEOの座を後継者のボブ・チャペックに譲ったが、昨年末までは非常に活発な取締役会長として在籍していた。彼はこの2年間、退任前に語ったように、「われわれのビジネスのクリエイティブな側面」に深く焦点を当て、「われわれのクリエイティブなパイプラインが活気に満ちている」ことを確認していた。

株価は5割近く下落

しかし、彼が戻ってきたディズニーは前とは違うものだった。

モラルが低下したことはほとんどないと、社内の人々は言う。過去20カ月間に株価が197ドルから96ドル程度まで下落しており、報酬の一部としてストックオプションを与えられている一部のディズニー上級役員には残念な状況となっている。

アイガーがCEOを務めた15年間(2005~20年)、ディズニーは勝って勝って勝ちまくることに慣れていた。2019年、同社は世界興行収入でそれぞれ10億ドル以上を集めた映画を7本提供した。他のスタジオで1本以上あったところはなく、ほとんどがゼロだった。

だが、ディズニーの長年の顧問弁護士であるアラン・N・ブラヴァーマンや、ディズニーの最高コミュニケーション責任者として19年間、ブランドを守り続けたゼニア・B・ムチャなど、アイガーが最も信頼する"副官"や"執行官"が何人も引退した。

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