前CEOがわずか11カ月で復帰「ディズニー」の異変 エンタメ業界の優等生に何が起きているのか
テーマパークのアトラクションや、消費者向け製品を含む他のすべての原動力となるコンテンツであり、アイガーらが「ディズニーの心臓部」と呼ぶアニメーションに、集中的に取り組む必要があると思われる分野がある。ピクサーの前作「ライトイヤー」は、大ヒット作「トイ・ストーリー」シリーズにつながる作品でありながら、興行的には大コケしてしまった。
水曜日には、別部門のウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオが手がけた「ストレンジ・ワールド」が公開される。同作品は、異星に住む農夫が、枯れかけた作物の解決策を見つけるという内容だが、同作品は感謝祭を含むアメリカでの週末5日の興行収入は3500万ドル程度の見込みと、製作費1億8000万ドル、販売費数千万ドルの映画としてだいぶ残念な出足となっている。
注目すべきは、これらは、2018年に職場での不当な接触に関する苦情でディズニーを辞職したピクサーの創業者ジョン・ラセターから創造的な意見を得ずにディズニーの制作ラインから生まれた最初のアニメ映画の1つであるということだ。
ストリーミングを3つに分ける意味
ディズニーの現在のストリーミング戦略は、多くの点でアイガーによって確立された。ディズニーは、1つでも2つでもなく、3つのストリーミングサービスを構築している。
Disney+は家族連れや、「スター・ウォーズ」、「アベンジャーズ」、「ザ・シンプソンズ」といったディズニー・フランチャイズのコアなファン向け。Huluは、より幅広いエンターテイメントとよりきわどい番組に焦点を当て、ESPN+はスポーツのライブ配信を行う。
アイガーとディズニーの経営陣は、この計画を継続するか、それともギアをシフトするかを決定しなければならない。また、アイガーの復帰は、Disney+の収益性と加入者数の目標を再検討する機会にもなる。
「彼らは、Disney+、Hulu、ESPN+を組み合わせた、たった1つの 『すべて』のディズニーサービスの世界を思い描いているのだろうか」と、グリーンフィールドらは問いかける。
フロリダ州とカリフォルニア州にあるディズニーのテーマパークは、コロナ禍の長期間閉鎖から見事に立ち直った。チャペックは、CEOに就任する前に経営していたテーマパーク部門の経験豊富な経営者として広く評価されている。