前CEOがわずか11カ月で復帰「ディズニー」の異変 エンタメ業界の優等生に何が起きているのか

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しかし、テーマパークにも問題はある。チャペックと彼のチームは、Disney+やその他のストリーミング施策への支出を相殺するために、入場料、食事、商品、駐車場、ホテルの部屋、ファストパスの値上げに大きく傾いたのである。値上げはネガティブな報道の連鎖を招き、アメリカ経済の悪化が続けば持続不可能になるかもしれないと、アナリストは懸念している。

2016年に創業した、アイガーの代表的な業績の1つである上海ディズニーランドは、新型コロナウイルスの蔓延を抑えようとする中国当局によって、開園と閉園を繰り返している。香港ディズニーランドも苦戦を強いられている。中国におけるディズニーの運営を複雑にしているのは、中国政府とアメリカ政府の冷え切った関係だ。

2年以内に別の後継者を見つけ、育成

まだまだある。ネルソン・ペルツ率いるアクティビスト・ヘッジファンド、トライアンがディズニーの株を大量に取得し、経営再建の一環として取締役会への参加を働きかけていることなども、アイガーの注意を要する事柄だ。ハリウッドは主要労働組合との険悪な契約交渉に向かっており、ほとんどのスタジオは全米脚本家組合による春のストライキがあり得ると考えている。

また、ディズニーの取締役会は、2年後の契約終了までに、別の後継者を見つけ、育成することが、アイガーの任務の一部であると日曜日に述べている。

日曜日の夜、アイガーはディズニーの19万人の従業員に宛てたメールの中で、「この時代は確かにかなり厳しい」としながらも、この先の展開について明るい口調で語った。

「私は楽観主義者だ」と彼は書き、「私がディズニーで過ごした年月から学んだことが1つあるとすれば、それは、不確実性に直面しても、おそらく特に不確実性に直面しているときに、当社の従業員とキャストは不可能を可能にするということだ」と書いた。

ウォール街は、少なくとも当初はこれに同意したようで、翌朝にはディズニーの株価を10%上昇させた。だがその後、アイガーの2度目の登板の難しさが目に見えるようになってきており、株価は4%値を下げている。

(執筆:Brooks Barnes記者)
(C)The New York Times

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