メンタル不調な人の「病院選び」間違いのない鉄則 まずは近い所から、口コミや評判はアテにならない

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精神科医 イメージ
最優先すべきことを解説します(写真:photobyphotoboy/PIXTA)
精神科を受診する患者数が年々増え続けるなか、家族のメンタル不調をケアする立場に置かれる人も増えてきているはずです。産業医として1万人以上を診察してきた精神科医の井上智介氏の著書『どうする? 家族のメンタル不調』より、家族がメンタル不調に陥ったとき、病院選びで優先すべきポイントを解説します。

家からいちばん通いやすい病院を

精神科の病院を探しはじめたとき、戸惑うかもしれません。精神科、心療内科、メンタルクリニックなどがあって、「何がどう違うの?」となるからです。

結論から言うと、ほとんど変わりはありません。学問としては精神科と心療内科は異なるのですが、名称レベルであればほぼ同じと考えていただいて大丈夫です。病院名をどうつけるかは原則自由なので、井上精神科でも、井上心療内科でもいいし、井上こころのクリニックでもOKなのです。

一般的には、心の症状が強く出ている場合は精神科、身体症状のほうが強い場合は心療内科、と分けられていますが、実際は、精神科と名乗ってしまうと身構える患者さんも多いので、心療内科としている病院が多い印象があります。

そもそも日本には、心療内科医より精神科医のほうが圧倒的に多いため、どこの病院を選んでも、基本的にそこにいるのは精神科医だと思えばいいでしょう。ですから、どちらのクリニックを選ばれても、受けられる治療に大きな違いはありません。

精神科の病院を選ぶときの重要なポイントは「近さ」です。

とくに、精神科に抵抗のある患者さんや、精神疾患を受け入れがたい患者さんなら、最初は家からいちばん通いやすい病院を選ぶようおすすめします。家から近い病院でもいいし、電車やバスなどを使って行きやすいところでもいいでしょう。

近所の人の目が気になるという人もいるかもしれませんが、患者さんがつらいとき、すぐ病院にかかれることが何より重要です。

名医がいるからといって隣の県まではるばる通うことが、治療に最善とは限りません。どんなにしんどくても通わなければならないのが精神科です。極めて気分が落ち込んでいるようなときに、何時間もかけて病院に行く気になるでしょうか。

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