また、病院に行きたくないと思っている人なら、すでに病院に対する心の距離がかなり開いてしまっています。病院そのものが遠方となれば、より通院がおっくうになることでしょう。
つらいときにも通える距離感が大事です。
医師は会ってみないとわからない
今はネット社会ですから、病院を探すときに口コミ情報を見比べて探そうとする人もいるでしょう。でも、口コミ情報では確かなことはわかりません。その医師と相性のいい患者さんもいれば、悪い患者さんもいます。とくに精神科は相性が大切ですから、行ってみて、話をしてみなければわからないことがたくさんあります。
まずは、アクセスの良さを基準に選ぶこと。そして、3、4か月くらい通ってみて、医師との相性を確かめたうえで、どうしても合わないのであれば別の病院へ変わることを検討してもいいでしょう。
つまり、最初にかかる病院を選ぶときは、必要以上に慎重にならなくていいのです。どこであっても、治療方針が大きく変わることはありません。どの疾患にどのような治療を行うかはガイドラインが決まっているので、北海道から沖縄まで基本的に同じ治療が受けられる体制が整っています。
ただ、先にも言ったように相性があって、医師の同じふるまい、同じ言葉遣いであっても、「頼りがいがある」と受け取る患者さんもいれば、「えらそうで嫌だ」と感じる患者さんもいます。どうしても気に入らなくて、それが原因で病院に行きたくないというのであれば、転院を検討するのも1つの方法です。
その際、医師に何を求めているのかは、はっきりさせておくのがいいでしょう。どんな先生がいいのか曖昧だと、どこへ行っても気に入らない点が目に入って、必要以上に転院を繰り返してしまいます。家族もそのたびに振り回されて大変です。どこまで患者さんの要望を聞き入れるのか、家族も一緒に考えて対応する必要があります。
「まあ何でも患者さんの好きにやらせなさいよ」と言う医師がいないとも限らず、患者さんがそれを望んでいた場合、迷惑を被るのはサポートするご家族です。共倒れしてしまっては本末転倒ですから、気をつける必要があります。
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