人類の活動が脅かしている「地球の9つの限界」 成長が終わるとともにシステムは突如崩壊する

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何十万年という遅滞期を経て、わたしたち人類は20世紀の半ばに、地球上で生きるうえでの実際的な諸問題を解決したようだ。おそらくそれは工業化が始まったことの必然の結果だったのだろう。工業化により、わたしたちは個人の力を増大させる新しい動力源と機械を手に入れた。

しかし決定的な引き金となったのは、第二次世界大戦の終結だったようだ。戦争自体は医薬や、工学や、科学や、通信の飛躍的な発展をもたらした。

戦争の終結により、国際連合や世界銀行や、のちには欧州連合など、数々の国際的な機関の設立が促された。どれも世界を結束させ、グローバルな人類社会の協力を実現しようとする機関だった。

それらの機関は前例のないほど一定の平和が長く続く時代――「大いなる平和(グレート・ピース)」――を築くのに貢献した。そのおかげで、わたしたちは自由を享受でき、あらゆる成長の機会を加速させることができた。

人類の成長は永久には続かない

「大加速」の曲線は、外見的には進歩に見える。その期間に、世界の多くの人々のあいだで、平均寿命から、識字率と教育や、医療の普及や、人権や、1人当たりの所得や、民主主義まで、人類の発展を示す指標の値が著しく上昇した。

わたしが就いた職業も、「大加速」によって輸送と通信が発達したからこそ生まれたものだった。ありとあらゆる人間活動が過去70年のあいだに驚異的な拡大を遂げたおかげで、人類が夢見てきた多くのことが実現した。

しかし忘れてはならないのは、それらの恩恵の数々には必ず代償が伴っているということだ。

細菌と同じように、わたしたちもガスを排出し、環境を酸化させ、有害な廃棄物を出している。それらの代償も急速に溜まっていく。人類の加速度的な成長は永久には続かない。

アポロ宇宙船から撮影された写真を見れば、地球が密閉された細菌のコロニーのシャーレとまったく同じように、閉じられたシステムであることは一目瞭然だ。地球があとどれぐらい持ちこたえられるのかを、わたしたちは早急に知る必要がある。

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