さらに、「こういう風に話したほうがいいですよ」「あの話はやめたほうがいいですよ」など助言を受けると、オリジナルの自分ならきついと感じるでしょうが、役割性格の「布施努」ですから、素直に受け入れて、「もっとこうしよう」と思えるのです。
僕個人に言われたわけではなく、役者が監督に演技指導してもらったような感覚で聞けるからです。
職場で役割性格を作り、それを上司と共有できていると、上司からは演技指導を受けていると感じられるでしょう。そして、役割性格を演じているときは、チャッターからも恒常的に離れていることができるのです。
管理職やリーダーには必須の知識
『Chatter(チャッター)』は、企業の管理職や、リーダーの人たちにこそ読んでもらいたいですね。
チャッターとの向き合い方を、自分のこととして捉えることは大事ですが、それだけでなく、自分の部下たちもチャッターに苦しんでいるのだということを認識できるとよいでしょう。
部下に指導するとなると、得てして、知識やスキルの話になりがちです。しかし、実際に多くの人が苦しんでいるのは、それにともなうチャッターのほうなのです。
1on1をやるにしても、しっかり構造化してから向き合う必要があります。ただただ話すだけでは、よくて「悩み相談室」、下手をすると余計に部下のチャッターを増やしてしまいます。
「第三者の部下」と「第三者の上司」が話すようになれば、お互いに客観視できて、みずから解決策を見つけられるため、非常に建設的なディスカッションができるのです。
うまくいっていない時、人は、ベッタリと自分の内部に入ってしまいます。しかし、自分で納得しなければ変わることはできません。
『Chatter(チャッター)』は、リファレンスがしっかりありますし、アカデミックな内容を一般の人に読めるように書かれています。「いい武器を手に入れた」と考えて、ぜひ本書を活用し、パフォーマンスを高めてもらいたいですね。
(構成:泉美木蘭)
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