「目標を下げること」が実は結果を出す近道のワケ トップアスリートのパフォーマンス最大化方法

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さらに、「こういう風に話したほうがいいですよ」「あの話はやめたほうがいいですよ」など助言を受けると、オリジナルの自分ならきついと感じるでしょうが、役割性格の「布施努」ですから、素直に受け入れて、「もっとこうしよう」と思えるのです。

僕個人に言われたわけではなく、役者が監督に演技指導してもらったような感覚で聞けるからです。

職場で役割性格を作り、それを上司と共有できていると、上司からは演技指導を受けていると感じられるでしょう。そして、役割性格を演じているときは、チャッターからも恒常的に離れていることができるのです。

管理職やリーダーには必須の知識

『Chatter(チャッター)』は、企業の管理職や、リーダーの人たちにこそ読んでもらいたいですね。

チャッターとの向き合い方を、自分のこととして捉えることは大事ですが、それだけでなく、自分の部下たちもチャッターに苦しんでいるのだということを認識できるとよいでしょう。

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部下に指導するとなると、得てして、知識やスキルの話になりがちです。しかし、実際に多くの人が苦しんでいるのは、それにともなうチャッターのほうなのです。

1on1をやるにしても、しっかり構造化してから向き合う必要があります。ただただ話すだけでは、よくて「悩み相談室」、下手をすると余計に部下のチャッターを増やしてしまいます。

「第三者の部下」と「第三者の上司」が話すようになれば、お互いに客観視できて、みずから解決策を見つけられるため、非常に建設的なディスカッションができるのです。

うまくいっていない時、人は、ベッタリと自分の内部に入ってしまいます。しかし、自分で納得しなければ変わることはできません。

『Chatter(チャッター)』は、リファレンスがしっかりありますし、アカデミックな内容を一般の人に読めるように書かれています。「いい武器を手に入れた」と考えて、ぜひ本書を活用し、パフォーマンスを高めてもらいたいですね。

(構成:泉美木蘭)

布施 努 スポーツ心理学博士、Tsutomu FUSE, PhD, Sport Psychology Services代表取締役

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ふせ つとむ / Tsutomu Fuse

慶應義塾大学卒。住友商事に14年勤務後、世界的権威Dr. Gouldに師事し、ノースカロライナ大学グリンズボロ校にてスポーツ心理学博士号を取得。慶應義塾大学スポーツ医学研究センター研究員。最先端のスポーツ心理学でチーム作り、個人のパフォーマンス向上などを手掛ける。
オリンピック・パラリンピックメダリスト、プロ選手等を指導。最近ではU23日本代表野球、早稲田大学蹴球ラグビー部、東京ガス野球部、トヨタ自動車野球部、桐蔭学園ラグビー部などを担当。ライフスキルトレーニングによるリーダー育成も行う。ビジネス界では、組織構築、パフォーマンス向上などポーツ心理学の理論をビジネスに実装するトレーニングを展開。

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