「就活を見据えて資格を取るべきだったか」という件ですが、確かに親くらいの世代でそうおっしゃる方は多いのですが、これって本当に正解でしょうか。それも正解であるか否かは個々人によって異なるように思えます。
学生時代に難関資格を取得し、その後も活躍をされている方はいます。しかし視点を変えると、学生という視野が狭い段階でひとつの道(取得した資格関連の仕事)を限定し、将来の可能性を自ら閉ざしている、とも考えられます。そういう点ではあまりよい選択肢ではないのです。難関資格を取得したとしても、就職が保証されるわけではない昨今の状況を鑑みると、最強の選択肢ではないのです。
実際に社会で活躍されている方が有資格者ばかりかというと、そうでもありませんし、卒業直後のキャリアとは異なるキャリアに進み成功を収めている方も多いのも事実です。
資格を取ればいいのか、に普遍的な答えはない
つまり、学生時代に資格を取得するのが良かったのか否かについては、誰にでも当てはまる普遍的な答えはないのです。あえていうならば、学生の時に自分が「これだ」と思える分野が見つかれば資格取得などに挑戦すればいいし、そうでない限り資格をとってもストレスのたまる人生への片道切符になりかねません。
そもそも学生は限られた情報の中で仕事を選ぶわけです。完璧な仕事が簡単に見つかるという幻想を持つべきではありません。ですから私は「新卒は3年以内に3割が辞める」と言われても、「えっ、そんな少ないの?」という印象を持ちます。そんなことは昔から言われてきたことで、最近になって急増しているわけではありません。3年3割のひとりである私が言うと言い訳がましく聞こえるかもしれませんが。
最初の会社が自分に合い、そこでずっと活躍できれば、確かにいいと思います。優秀な方でそういった方も本当にいらっしゃいます。そういった人生もあります。その一方で、資格保有の有無にかかわらず転職でステップアップしている人が非常に多いのも事実です。
そもそも今いる会社で活躍をしようにも、また転職しようにも優秀でないとできませんので、いずれのやり方も正解なのだと思います。冒頭で申し上げた“キャリアに正解はない”ということですね。
ちなみにやり方は異なっていても、いずれにも共通するのは置かれた環境をよく理解し、自身の成長に応じて能動的に環境を変えられる(転職する)、その時々で自分がいちばん成長できる環境を選ぶということです。そういう環境が今の会社にあるのであれば残り、そうでなければ転職をする。方法と結果は違っていても、その背景にある思考回路は似ているのだと思います。重要なのは好奇心旺盛にいろいろと挑戦してみる、その中で悪戦苦闘しつつも自分にとってのベストを選択する勇気を持つということです。
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