医師が指摘、睡眠不足は乳がんリスク2倍の現実 乳がん予防には、胸部・肩甲骨を鍛えよう

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乳がん患者の予後を改善するための運動では、有酸素運動とセットで行われることが多く、筋トレ単独での効果は実証されていません。しかしこれも乳がんの予防のところでお話ししたように、筋トレに積極的に取り組む女性は数が少ないからだと思います。現実的に筋肉量が少ない人ほど乳がんになってからの予後が悪いという事実から、がんと診断される前に筋肉量を増加させる試みを始めなくてはいけません。

ジョギング、ヨガ、スタジオフィットネスだけでは筋肉量は増加することは期待できません。いかに意識的に筋トレを行っていくかが重要になります。

乳がんリスクを下げる筋トレと深呼吸

がんを防ぐには、日常的に発生するがん細胞が増殖してがん化する前に、免疫細胞を運ぶリンパをよく流し、炎症を抑えたり洗い流しておくことが重要です。

『筋肉が がんを防ぐ。専門医式 1日2分の「貯筋習慣」』(KADOKAWA)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

乳腺周囲のリンパ流は主に胸から肩、腋の下にかけての流れと、胸腔(胸の中)へ直接流れる流れの2つに分かれます。免疫細胞がパトロールできるように、乳腺周囲のリンパのつまりを解消しておくためには、胸周り、肩周り、肩甲骨周囲の筋肉をよく動かします。

このために、鍛えるべき部位としては、胸前面にある「大胸筋」と、肩甲骨の内側についており肩甲骨をスムーズに動かすための「菱形筋(りょうけいきん)」です。

この部位を鍛える具体的なトレーニングには、「プッシュアップ(いわゆる腕立て伏せ)」「タオルプルダウン」(タオルを使って胸を張ったり肩甲骨を引き寄せる)があります。

また胸腔内のリンパの流れをスムーズにおこなうために必要なのは深呼吸です。深呼吸で息を思いっきり吸ったときに全身から胸の中にリンパが集められ循環します。毎日意識的に深呼吸することは胸腔内のリンパのつまりをとる行為になります。

石黒 成治 消化器外科医、ヘルスコーチ

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Seiji Ishiguro

消化器外科医、ヘルスコーチ。1973年、名古屋市生まれ。1997年、名古屋大学医学部卒。国立がん研究センター中央病院で大腸がん外科治療のトレーニングを受ける。その後、名古屋大学医学部附属病院、愛知県がんセンター中央病院、愛知医科大学病院に勤務する。2018年から予防医療を行うヘルスコーチとしての活動を開始。腸内環境の改善法、薬に頼らない健康法の普及を目的に、メールマガジン、YouTube、Instagram、Facebookなどで知識、情報を分かりやすく発信している。

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