日本人女性に激増している「乳がん」
日本人の死亡要因の1位はがん。2人に1人ががんになると試算されています(日本がん治療学会ホームページより)。部位別に見ると、増加しているのは男性では前立腺がん、女性では乳がんで、それぞれの罹患数のトップになっています。女性に最も多いのは乳がん。しかも、ここ20年で10倍以上に急増しています(国立がん研究センター がん情報サービス「がん統計」より)。
そしてがんの死因別でも、2020年でのデータでは、大腸がん、肺がんに次いで、女性では第3位が乳がんとなっています。欧米では2005年ぐらいをピークに乳がん患者は減少傾向を示していますが、日本では右肩上がりで上昇しています。乳がんの予防策を講じることは喫緊の課題です。
乳がんの発症にはホルモン、特に女性ホルモンであるエストロゲンの影響を強く受けることがわかっています。エストロゲンは主に卵巣から分泌されます。卵巣からの分泌が低下すると閉経となります。欧米の人は閉経後も乳がんの発症は増加していきますが、日本人は閉経がおこる50歳まで増加し、その後は減少または横ばいとなります。
閉経後は主に副腎、脂肪組織からエストロゲンが分泌されます。肥満の多い欧米人では閉経後もエストロゲン分泌量が多いため、乳がんになる人が減少しないと考えられています。
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