滝沢秀明のツイッター開設がこれほど騒がれる訳 ジャニーズとネット、この5年間を振り返ると…

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ここまで紹介してきたコンテンツは、どれも成功を収めてきた。しかし、その要因は、うまく時流に乗ったというより、ようやくファンが待ち望んできたものが与えられた、という渇望感にあるのではと思える。

振り返れば、2016年のSMAP解散騒動は、まだ「ネット鎖国」時代だった。スポーツ紙などの報道で知ることが多かったゆえに、生の声(と思われるもの)にリアルタイムで触れられることが求められていたのではないか。

副社長への就任以来、その動向が表にあまり出てこなかった、滝沢さんについてもそうだ。10月いっぱいでジャニーズを離れたと思ったら、11月7日ごろに本人のものとみられるツイッターアカウントが開設。わずか数日で約230万フォロワー(11日昼時点)にまで増えた。

滝沢さんの在任期間である4年弱は、創業者のジャニー喜多川さんが亡くなり、嵐が活動休止し、TOKIOが株式会社となり、V6が解散し……と、ジャニーズにとって激動の時代だった。

その間ずっと裏方に徹してきた滝沢さんの「生の声」に触れたいと思うのは、ファンならずとも理解できる。

そうした渇望感から、またたく間にフォロワーが増加。プロフィール欄がコロコロと更新されているとか、文字を書いた画像を上下反対に投稿したとか、ここ数日のネットニュースはタッキー&ツイッターだらけだ。そして、ファンのみならず、企業ツイッターなども「プロフィール欄いじり」「上下反転画像」に便乗している。

また、アカウントで「いいね」している相手が、山下さん、赤西仁さん、錦戸さん、手越祐也さんと、それぞれ経緯は違えども、すでにジャニーズを退所している面々なところも、フォロワーの想像力をかき立てる要因だ。

世間の渇望感をふくらませるために、わざとタブー視されている話題に触れているのだとしたら、もうアッパレと言うしかない。

ジャニーズ史の中でも、今は大きな変化の最中だ

前述した通り、もともとジャニーズ事務所は長年、インターネットでの情報発信に消極的だった。だが、滝沢さんの副社長就任に前後して変化が生まれ、ファンの渇望感を満たしていった。

しかし、その滝沢さんが退社した。ジャニーズ事務所の歴史を振り返っても、これほどの出来事はなかなかなかったはずだ。さらに状況が大きく変わっていくことが予想されるのは、当然だと言える。

現在は次に何が起こるのか一切予想できない状況だが、ネット戦略などを通じ、ファンの渇望感を満たし続けてきた滝沢さんが、今さら旧態依然とした動きを見せるとは思えない。よりリアルタイムな、生の情報をファンに届けていくのは間違いないだろう。

そしてその結果として、ジャニーズ事務所のネットとの付き合い方もまた、変化していくはずだ。

城戸 譲 ネットメディア研究家・コラムニスト・炎上ウォッチャー

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きど・ゆずる / Yuzuru Kido

1988年、東京都杉並区生まれ。日本大学法学部新聞学科を卒業後、ジェイ・キャストへ新卒入社。地域情報サイト「Jタウンネット」編集長、総合ニュースサイト「J-CASTニュース」副編集長などを経て、2022年秋に独立。現在は東洋経済オンラインのほか、ねとらぼ、ダイヤモンド・オンライン等でコラム、取材記事を執筆。炎上ウォッチャーとして「週刊プレイボーイ」や「週刊SPA!」でコメント。その他、ABEMA「ABEMA Prime」「ABEMA的ニュースショー」などネット番組、TOKYO FM/JFN「ONE MORNING」水曜レギュラー(2019.5-2020.3)、bayfm「POWER BAY MORNING」などラジオ番組にも出演。政治経済からエンタメ、炎上ネタまで、幅広くネットウォッチしている。
X(旧ツイッター):@zurukid
公式サイト:https://zuru.org/

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