イケアとニトリが「日本の家具事情」を変えた

好調2社の売り場に見える強さの秘密

一方のニトリは、成長に合わせて自由に組み換えができる家具など、機能性を重視した商品を、多数、販売しています。学習机に関しては日本一の売上を誇り、ランドセルも販売。ほかの商品同様、トータルコーディネートを重視し、好きな色だけで作る子ども用寝具などのセットも充実しています。ネット販売でも「学習机・子ども部屋」といった形で項目立てされており、商品が選びやすくなっています。

イケアとニトリが家具業界に与えた影響

さて、1990年代後半から2000年代前半、こじゃれたインテリアや家具、雑貨を買いたい人には、シンプルなデザインの「無印良品」、ビビットな色使いで女性に好まれた「Francfranc(フランフラン)」、マルイの「in The ROOM」などが人気でした。筆者が結婚した2005年は、イケア再上陸(2006年)の1年前。今まで実家暮らしだった筆者は、せっかくの新婚生活だからと、張り切って上記のインテリア店でカーテンやベッドカバー、ラグなどを選んだことを思い出します。

とはいえ決して安価とはいえず、なおかつ大型家具は、値段はもちろん配送料も高い。そこでニトリに行ってみると、家具はもちろん、台所用品や雑貨まで、暮らしにかかわる物が何でもそろい、しかも食器などの小物では100円台のものもたくさんあってびっくり。

同社は、当時、筆者が勤めていたコンサル会社の会員企業で、似鳥昭雄社長や社員の方にお会いしたことがあるものの、結婚するまで行ったことがありませんでした。しかし実店舗を見て、値ごろな価格帯や商品構成、合わせやすいデザインに、これは売れるのもわかると、感心したのでした。

その後、2006年にイケアが船橋に出店。北欧らしいカラフルでデザイン性の高い家具や雑貨が、値ごろな価格で購入できるほか、レストランや北欧の食材が買えるショップまであり、すっかりやみつきに。現在、筆者宅のメイン家具はソファとラグ、棚、収納がイケア、ベッドとテーブルセット、レンジ台がニトリとなっています。ちょっとした模様替えをしたい時にも、この2社は季節ごとに新しい提案があり、とても重宝しています。

この10年、機能的かつデザイン性に優れ、価格も手頃な2社の「ホームファニシングストア」は、日本の家具・インテリア業界に大きな影響を与えました。ブランドコンセプトがはっきりしており、ショッピングセンターの核テナントとして入店できた「無印良品」や「Francfranc」に比べ、マルイの中での営業にかぎられたことも影響したのでしょう。マルイの「in The ROOM」は2013年に全店閉店となっています。

イケアやニトリの商品に親しんだことで、価格と品質、デザインに対して消費者の目も肥えてきました。服を選ぶように家の中もトータルコーディネートする。自分らしい部屋づくりで新年度に勢いをつけたいものです。

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