ジェフ・ベゾスがソニーを「お手本」と崇めた理由 試練をくぐり開花した2000~2010年に語った生声

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アマゾン創業者のジェフ・ベゾス
アマゾン創業者のジェフ・ベゾス(写真:Albin Lohr-Jones、Pool via/Bloomberg)
誰もが知る成功者として有名なあの人も、ひとりの人間として、悩み、もがき、ときには本音、弱音、ジョークをぽつりともらすことがある。ときに、そうした等身大の言葉はどんな美辞麗句よりも力をくれるはずだ。
ジェフ・ベゾスが社内文書やインタビューなどで自ら語った言葉、「生声」を収録した『ジェフ・ベゾスの生声』から、アマゾン創業後の試練の時期からヒット商品を生み出すまでに語っていた本音を、一部抜粋・再構成してお届けする。

商売は好きだが愛してはいない

<2000~2005年 《試練》
ドットコム・バブルを切り抜け、黒字化にこぎつけるまで>

私が愛しているのは、発明することだ。もちろん商売も好きだし楽しんでいるが、愛してはいない。私が愛するのは、わが社の製品チームと仕事を進め、次世代の顧客の意見を知るようなことだ。
――「チャーリー・ローズ」インタビュー 2000年6月28日

 

第二次世界大戦後にソニーが成し遂げたような、個人の力を超える大きな使命を持つことの重要性をずっと感じてきた。彼らは日本という国を安物のコピーではなく、上質さの代名詞にしたいと望み、見事に成し遂げた。わが社の使命は、顧客に新しいレベルの期待をもたらし、ほかの企業にもそのレベルを上げてもらうことである。それが叶えば実に意義深く、孫に語り継げる話となるだろう。これが使命と仕事の違いである。ただの仕事なら、孫に聞かせられるような話は残らない。
――『ガーディアン』誌 2001年2月10日

 

(アマゾンの名前の由来は)地球最大の川。地球最大の品揃え。片胸の女戦士とは無関係である。
――92ストリート・Y、ニューヨーク 2001年4月11日

 

多くの人々は、いまを大切に生きるべきだと思っている。だが個人的には、この先に待ち受ける未来について考え、その未来が最終的に自分の納得のいくものになるよう計画をするべきだと思う。
――アメリカン・アカデミー・オブ・アチーヴメント・インタビュー 2001年5月4日

 

企業が犯す間違いは、外部環境が突如変わった際に、自信をなくして最新のトレンドを追いかけることだ。
――『ニューヨーク・タイムズ』紙 2002年5月19日

 

我々の視点は、顧客の買い物をあと押しして利益を得る、という点にはない。ネガティブなレビューは購入の是非を決定するのに役に立つ。これこそ顧客第一主義の視点である。ネガティブなレビューは顧客にとって有意義であり、こちらに都合のいいレビューを待つよりも、最終的には多くの商品を売ることができる。
――『ブルームバーグ・ビジネスウィーク』誌 2004年8月1日

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