「パワハラ」にしない指示、注意、指導、命令の仕方 「セクハラ」や「マタハラ」とは違うのがポイント

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ここで考えなければならないのが、「ついつい口走ってしまう」ことです。

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部下に対し、大きな感情が動くときは「怒り」が先に出てしまい、勢いで「余計な一言」が、結果、人権侵害的な一言となり、パワハラを招いてしまう例が多いのではないでしょうか? また、実際に現場で、多く相談されます。

気持ち的に理解はできる部分はあるにせよ、「売り言葉に買い言葉」の要素が高いので、そこで悩まれるのはもったいないです。

それを防止するためには、一呼吸整えて深呼吸し、それから言葉を選んで注意することがポイントとなるでしょう。そうすれば、かなりの確率でパワハラ防止になるはずです。ここだけでも覚えておいてくださいね。

マタハラの具体例を紹介

妊娠・出産、育児休業・介護休業などに対する事業主の不利益取扱は、すでに法律で禁止されていますが、新たに「上司・同僚からの職場における妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメント」をマタニティー・ハラスメント(マタハラ)として禁止することになりました。そしてセクハラと同様に、雇用主に対して防止措置を講じることが義務づけられました。

マタハラの具体例として、次のようなものがあります。

・上司に妊娠を報告し育児休業を請求したら、「ウチは育休を取れる状況ではない」と言われた
・育児時間をとって早く帰ると、同僚から嫌味を言われる
・つわりがひどいのに、上司から「妊娠は病気ではないので甘えないでほしい」と言われた
・子どもが発熱して遅刻や早退を申し出るたびに、同僚から「本当に迷惑」と嫌味を言われる

マタハラは、たとえ法律違反にならないとしても、多方面に悪影響をもたらし、企業に多くのデメリットをもたらします。起きてしまった場合の悪影響としては次のようなものが挙げられます。

・妊産婦・胎児の健康への影響
・働く女性のモチベーションの低下
・退職などで優秀な人材を失う
・取引先などからの評価が下がる
・社会的な信用を失う

マタハラも法律で定義されたものなので、この対応もしっかりと行わないといけないのです。

内海 正人 人事コンサルタント・社会保険労務士

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うつみ まさと / Masato Utsumi

1964年、神奈川県生まれ。日本中央社会保険労務士事務所代表。総合商社の金融子会社にて法人営業・融資業務・債権回収業務を行う。その後、人事コンサルティング会社を経て、日本中央社会保険労務士事務所設立。2017年9月社会保険労務士法人日本中央社会保険労務士事務所代表社員に就任し、現在に至る。人材マネジメントや人事コンサルティングおよびセミナーを業務の中心として展開。現実的な解決策の提示を行うエキスパートとして多くのクライアントを持つ。著書に『会社で活躍する人が辞めないしくみ』『会社のやってはいけない!』(ともにクロスメディア・パブリッシング)などがある。

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