「マイナ保険証」と「保険証」どこが違うか徹底解説 薬の管理が楽に、気になる個人情報は大丈夫?
ところで、現時点でマイナ保険証がどれくらい活用されているのか。
2022年9月時点、オンライン資格確認の運用を始めている医療機関・薬局は全体の3割程度で、6485万4509件行われている。このうちマイナ保険証によるものは約35万件(0.5%)、保険証によるものが約5691万件(87.8%)、予約の患者についてまとめて事前に保険証の記号・番号に基づいてオンライン資格確認を行う一括照会によるものが約759万件(11.7%)となっている。つまり、オンライン資格確認ができる施設でも、マイナ保険証を使っている患者は0.5%程度である。
高額療養費制度が利用しやすく
患者側の医療費の自己負担を一定程度に抑える仕組みに、高額療養費制度がある。現役世代で一般的な所得の人であれば、1カ月の医療費の自己負担が8万100円を超えると、そこからの自己負担分は小さくなる。
これまでは、高額療養費制度を利用するためには健保組合等から限度額適用認定証を発行してもらい、医療機関に提出する必要があった。しかしこの作業をマイナ保険証によって簡略化することが可能になる。
オンライン資格確認等システムであれば、患者が顔認証付きカードリーダーの画面に表示される「同意」にタッチすることで、同意の意思表示ができる。これにより、医療機関側はオンラインで患者の限度額適用認定証の情報を取得し、高額療養費制度に関する対応をする。患者は、高額療養費制度のことをよく知らなくても、自動的にその適用を受けることができる。患者においてマイナ保険証の最大のメリットだろう。
なお、保険証を使っている人が顔認証付きカードリーダーで「同意」できないことを理由に、高額療養費制度を簡単に利用できないとしたら、不公平だという声が各方面から上がるかもしれない。だが、限度額適用認定証の情報を医療機関側が取得することについては、窓口の職員に対して口頭で同意をすればよいことになっている。
2023年1月から運用が予定されている電子処方箋についても見ておこう。
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