「部下が育たない上司」は接し方の基本を知らない 上司としての役割を「演じる」ことで部下を伸ばす

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時代や環境、働き方が変化する中、かつて自分が受けた指導をそのまま部下に行っていては、部下が成長しないのは当然と言えるでしょう。

これからは、時代と部下の変化に気づき、部下が変わるのを待つのではなく、上司が部下や時代に合わせて変化しなくてはならないのです。

時代や部下がどのように変化しているのかを知るために、まずイマドキ部下の代表的な特徴を挙げてみましょう。

・スマホ/ソーシャルネイティブ
・独立志向で、プライベートを重視する(自分を大切にしたい)傾向にある
・会社/職場に過度な期待をしていないが、期待されることは嬉しい
・転職や副業は当たり前
・将来に対して希望が持てない
・会社ではなく、個人の時代であることを前提に物事を考える
・責任が増えることを嫌う
・出世には興味が薄いけれど、スキルアップには関心がある
・損はしたくない、タイムパフォーマンスが気になる
・社会貢献性が高い仕事にやりがいを感じる

思わず頭を抱えたくなるかもしれませんが、このように、現在上司の人がひと昔前に部下だったときとは、さまざまな面で違いがあります。個々人の経験やスキルも多様です。

そのため、イマドキ部下の指導には、相手がどのような時代や環境で生きてきたのかを理解したうえで、相手の許容度を理解したり、個々人のスキルセットに配慮したりすることが必要です。

部下を伸ばすために最も大切なのは違いを認めることであり、その点を認識したうえで指導をすること、部下が変わるのを待つのではなく、上司側が理解して積極的に変化し、部下に働きかけることです。

上司としての“役割”を演じてイマドキ上司になる

イマドキ上司とは、一言で言えば「プロデュースできる人」です。

プロデュースできる人とは、たとえば、ある営業目標を達成するときに自ら営業するのはもちろん、部下を率いて営業数字を上げたり、自分の上司や社長を巻き込んで営業活動をしたり予算を組んだりと、組織の成果を最大化するために、必要であれば柔軟な判断や指示ができる人のこと。

「組織の成果の最大化」という目的のもと、「上司としての」自分自身の振る舞いを決められる。それが、今求められているイマドキ上司の姿です。

イマドキ上司の基本は、従来のような〝立場〞で部下を指導するのではなく、上司としての〝役割〞を「演じる」ことで部下を伸ばすことにあります。

次ページ「上司だから」だけでは、部下は話を素直に聞かない
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