フランス人作家描く「児童婚」「ダリット」のリアル インドで出会った2人の教師から物語ができた

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物語は、フランス人女性教師レナが生きる希望を失うところからはじまります(写真:SolStock/getty)

インドにおけるダリット(不可触民)の存在や、児童婚の実態について聞いたことがあっても、それが実際どういうものなのか想像をめぐらせたことがある人は少ないかもしれない。が、インドで、実際に貧困地域で学校を運営する男性の活動に着想を得て書かれた小説『あなたの教室』がフランスで話題となっている。

筆者は映画俳優・監督でもあるレティシア・コロンバニ氏。2017年に初めて書いた小説『三つ編み』はフランスで150万部のベストセラーとなり、40カ国で翻訳された。『あなたの教室』はその続編とも捉えられる作品だ。

大ヒット作の続編につながった「出会い」

『あなたの教室』はある出来事をきっかけに、生きる希望を失ったフランス人女性教師、レナがひょんなことから、『三つ編み』にも登場したダリットの少女、ラリータと出会い、インドで学校を設立する物語だ。母を亡くしたラリータは、口を利かなくなって親戚の食堂でウエイトレスとして働かされていた。少女が教育も受けられず、働かされていることを、レナは放っておけず、学校設立に動くが、その過程でインドならではの問題に次々と直面する。

コロンバニ氏によると、もともと『三つ編み』の続編を書くつもりはなかった。が、「同作を映画化するためインドに行ったとき、大勢のダリットの人たちに出会い『この物語はまだ終わっていないんだ』と感じたのです。ラリータの成長を観たい。キャラクターたちとの旅を続けたいと思ったのです」。

映画制作にあたりインド中を旅する中で、北部のラジャスタンで物語構想のきっかけとなる重要な出会いがあった。5歳から15歳までの子ども約40人が通う学校だ。運営するのはフランス人男性で、コロンバニ氏はそこで、故郷で苦しい体験をしてフランスから出てきた30歳の女性教師とも出会う。

「彼女は子どもたちに囲まれていて、子どもたちが彼女を治療し、彼女が子どもたちを治療しているように見えました。その関係性にインスピレーションを受け、2人をもとにレナのキャラクターを作りました」(コロンバニ氏)

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