フランス人作家描く「児童婚」「ダリット」のリアル インドで出会った2人の教師から物語ができた

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教師は子どもを結婚させないよう親たちを説得しますが、必ずしも説得できるわけではありません。そして14歳で1人目を、16歳で2人目、とたくさんの子どもを産む少女の人生は困難で貧しい。私が泣く少女を目撃したことは偶然ですが、社会の伝統とは関係なく、ただ心を動かされ彼女の痛みを感じました。それは普遍的なことではないでしょうか。彼女は自分の体験を伝える手段を持っていません。ですから、私が伝えるべきだと思いました」

レナの活動を助けるプリーティは架空の女性だが、彼女が率いる女性のための自衛組織「レッド・ブリゲイド」は実在する。コロンバニ氏はドキュメンタリー番組で、その存在を知り作品に登場させたいと考えた。プリーティは20歳、レナは40代、そしてラリータは小さな少女。孤独な3人が家族のような新しい関係を築いていく。

「女性の連携」は本当に存在するのか

『三つ編み』と『あなたの教室』に共通する要素は、女性たちの連帯である。世界には女性差別がたくさんあり、弱い立場に置かれた女性が差別を解消させるのは困難である。しかし、女性たちが手をつなげば、その状況を変える大きな力になる。

『三つ編み』では遠く離れた国でまったく違う人生を歩む3人の女性が、不思議なつながりを持つが、『あなたの教室』では異なる生い立ちの年代も違う3人が実際に出会い、関係を築いて連帯していく。そのような連帯は現実にありうるのだろうか。

「実は、映画の『三つ編み』の監督をして、すばらしい体験をしたところです。私はスミタを演じるインド人俳優、ジュリアを演じるイタリア人俳優、サラを演じるアメリカ人俳優をそれぞれ選びました。3人は何の共通点もなく人生も違うのに、強い絆で結ばれたのです。私たちは毎日、ワッツアップでメッセージを送り合っています」とコロンバニ氏。

スミタを演じた俳優はコロンバニ氏を姉と呼び、コロンバニ氏も彼女を妹と呼ぶ。ラリータを演じたダリットの少女は、自分を忘れないようにとブレスレットをプレゼントしてくれた。コロンバニ氏は、「私たちは人生がまったく違っていても、とても深いところでスピリチュアルな方法でつながり合うことができると思います」と話す。

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