ジョブズが目指していたのは業界初ではなかった アップル創業者が黄金期・晩年に語った生声13選

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アップル創業者のスティーブ・ジョブズ
アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏(写真:David Paul Morris/Bloomberg)
誰もが知る成功者として有名なあの人も、ひとりの人間として、悩み、もがき、ときには本音、弱音、ジョークをぽつりともらすことがある。ときに、そうした等身大の言葉はどんな美辞麗句よりも力をくれるはずだ。
今回はスティーブ・ジョブズが社内文書やインタビューなどで自ら語った言葉、「生声」を収録した新刊『スティーブ・ジョブズの生声』より、iPhoneの大ヒットを受け、ものづくりやサービスへのこだわりをさらに深めた時期、そして闘病の末のCEO退任に至るまでの言葉をお届けする。

「最も大事なのはユーザー」うち以外は口先だけ

<2005年〜2008年 《プライド》
世界中にファンを獲得、革新的な製品とサービスを追求する黄金期>

アップルでは、あらゆるものに対し「ユーザーにとってどれだけ簡単になるか? ユーザーにとってどれだけ素晴らしいものになるか?」と問いかけている。それはピクサーも同じだ。映画界の人はみな、よいアニメ映画をつくるには一にも二にもストーリーだって言うだろ。
でも、実際に映画を作る時、ストーリーに問題があっても制作を中断しない。ちゃんとおかねをかけてストーリーを修正しないんだよ。
まさにこれと同じことがソフトウェアのビジネスでも言える。
「ああ、最も大事なのはユーザーだ」とみんな言うけど、うち以外は口先だけだね。
――『フォーチュン』誌 2005年2月21日


自分が大好きなことを見つけなければならない。それは恋愛でも仕事でも同じだ。今後は仕事がみなさんの人生の大部分を占めるようになるが、真の満足を得る唯一の方法は、自分が心から素晴らしいと思える仕事をすることだ。そして、素晴らしい仕事を成し遂げる唯一の方法は、自分の仕事を愛することだ。(中略)妥協してはいけない。
――スタンフォード大学卒業式のスピーチ 2005年6月12日


君たちの時間は限られている。だから、他人の人生を生きて時間を無駄にしてはいけない。ドグマにとらわれないでほしい。それは、他人が考えた結果に従って生きることと同じなんだ。他人の意見という雑音で、君たち自身の内なる声がかき消されてしまってはいけない。そして何より大切なのは、自分の心と直感に従う勇気を持つことだ。自分の心と直感は自分が本当は何になりたいのか、どういうわけかすでに知っている。他のことはすべて二の次で構わない。
――スタンフォード大学卒業式のスピーチ 2005年6月12日


アップルにはしっかりと受け継がれてきたDNAがある。最先端のテクノロジーを取り入れ、それを世の中の人々が簡単に使えるようにすることだ。(中略)マニュアルを読みたくない人や、忙しい生活を送っている人のためにね。
――『ガーディアン』紙 2005年9月22日


モノをたくさん買うのはやめたよ。くだらないモノばかりだから。
――『インディペンデント』誌 2005年10月29日

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