中1から不登校5年の母が気づいた「最大の失敗」 自分自身を見つめ,行動を改め、親子関係は激変した
そのようにして娘にした声かけは、共感と信頼関係を生み、貝のように閉じていた娘の心は開かれていきました。
娘の悲しみを受け止めることはとてもつらい作業でしたが、同時に、不登校になった現実を私自身が受け止められなかったことにも気づきました。
それまでの私は、なんとか娘を学校に戻したい一心でしたので、「勉強しなきゃ将来困るよ」「楽なほうにながされたらダメ」「しんどくても頑張ろう」と親の立場で娘に物を言っていました。
しかし、ある日娘に、
「お母さんが私に『〇〇しなきゃこうなるよ』って言うことって、お母さんが子どもの頃にやってみて、失敗してわかったことでしょ?だったら、私も同じようにしていいやん!」と泣きながら言われました。
本当に娘の言う通りだと思いました。
私は、自分のやってきた失敗や苦い経験をこの子にさせまいと口うるさくいってきましたが、「失敗させる勇気を持つ」と心に決めました。
「幸せ」は他人軸ではなかった
私はかつて「幸せのようなもの」に向かって一生懸命がんばって生きてきました。
良い学校、良い会社に入り、良い給料をもらい、家庭を持ち、人から「すごいね」と評価される自分になる。そう思って頑張ってきたのです。
しかし、本当の幸せは手に入りませんでした。
人から言われることをきちんとする。人から評価されることをする。それ自体は悪いことではないのですが、言い換えれば他人軸で生きているということになります。
ですから、頑張っても、頑張っても、生きがいが感じられなくなってくるのです。
不登校は私たち親子にとって、とても苦い薬を飲まされたようなものでした。今まで経験したことのない挫折を娘も私も味わいました。
しかし、その苦い薬のおかげで今、娘は大学生活を謳歌しています。
娘が大学生になったとき、「今という時は今しかない。やれること全部したい!」と言ったことを今でも鮮明に覚えています。
娘がそう思えたのも、5年間という苦しく長い不登校生活があったからだと思います。
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