角田さんはこう話す。「最も即効性があるのは、炎症を鎮める効果が高いステロイド性抗炎症薬です。病院や歯科医院で処方される薬も市販薬も内容はほぼ一緒で、市販薬には塗るタイプと貼るタイプがあります。よく動く舌は塗るタイプ、動きが少ない頬や唇は貼るタイプなど、できた場所によって選ぶといいでしょう」。
そのほか、アフタ性口内炎の市販薬として抗炎症作用がある『アズレン』(アズレンスルホン酸ナトリウム水和物のことで、植物由来の物質)を使用したうがい薬もある。「粘膜の表面を整えたり、汚れを洗い流したりする作用があります」と角田さん。アズレンのうがい薬はさまざまなメーカーから出しているので、薬局やドラッグストアで薬剤師や登録販売者に聞いてみるといいだろう。
一方で、注意したいうがい薬もある。
「殺菌作用がある『ポビドンヨード』(ヨウ素とポリビニルピロリドンからなる物質)を使用したうがい薬は、炎症部分を刺激して治りが悪くなることがあるので避けましょう」(角田さん)
テレビコマーシャルなどでおなじみの、ビタミンの市販薬はどうか。
「実は、ビタミン不足がアフタ性口内炎の直接的な原因になるというデータはありません。ただ、ビタミンが不足している人は、補給することで二次的な効果を得られる可能性はあります」(角田さん)
とくにビタミンBは粘膜の健康を維持する作用があるため、不足するとアフタ性口内炎が治りにくくなることが考えられる。ビタミンBは体内では十分な量をつくることができないので、食事から摂取できないと不足する。食事から摂取しにくい人は、ビタミンの市販薬を使用するのも1つの方法だ。
辛い食べ物やお酒は注意、口の中も清潔に
アフタ性口内炎を早く治す対策で、日常生活で意識したいポイントは3つある。
「1つは、香辛料などを使った辛い食べ物や、アルコールなどは避けたほうがいいでしょう。刺激物は、口内炎の治りを遅くする要因になります。2つめは口の中を清潔にすること。潰瘍がある部分は、菌が侵入しやすいため、感染を起こすと治りが悪くなります。歯みがきをしっかりするのはもちろん、うがい薬を使用するのもいいでしょう。3つめは疲れやストレスをためないこと。免疫力が落ちている状態だと、治りにくくなることがあります」(角田さん)
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