「再発性アフタ」といって、口内炎が繰り返しできる場合もある。全身性の病気が隠れていることもあるが、多くは原因不明で、生まれつきの体質的なものだと考えられる。
「医療機関によっては、再発性で体質的なものが考えられる場合、体質に合わせた漢方薬を使用した治療を実施している場合もあります。即効性は期待しにくいですが、2~3カ月を目安に効果を判定し、症状に合わせて処方を調整していくと、再発の頻度が減ったり、治りやすくなったりする効果が出る人もいます」(角田さん)
効果が期待できる漢方薬には、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)や黄連解毒湯(おうれんげどくとう)などがあり、これらは市販薬も販売されている。
全身の病気が隠れている場合も
ステロイド性の抗炎症薬を10日程度使用しても治らない場合、注意が必要かもしれない。思わぬ全身の病気や、感染症が原因となっている可能性がある。
口内炎ができる代表的な全身の病気には、慢性の炎症性疾患の1つであるベーチェット病がある。目や皮膚に炎症が起きたり、外陰部に潰瘍ができたり、全身に炎症症状が出るが、繰り返し口内炎ができるのも特徴だ。
また、腸に慢性的な炎症が起きるクローン病や潰瘍性大腸炎でも口内炎ができることがある。潰瘍性大腸炎は主に大腸の粘膜に炎症が起き、クローン病は消化管のどの部位にも炎症が起こりえる。腸管に起きる炎症が、口の中にも起きて、口内炎ができるのだ。
まれではあるが、舌がんなどの口腔がんの初期症状に、アフタ性口内炎のような症状が出ることもある。
アフタ性口内炎と、こうした危険な病気の裏側にある口内炎の違いについて、「大きくなっていく場合や舌などで触れたときに固いしこりのようなものに触れた場合は注意が必要です。口腔がんの中で最も頻度が高い舌がんは、舌の側面にできやすい傾向があります」と角田さんは説明する。
アフタ性口内炎と似ている症状が出る感染症には、手足口病や単純ヘルペスウイルスの感染がある。
口の中や手足に水ぶくれのような発疹が出る手足口病は、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスが原因で起こる感染症で、子どもに起こりやすい感染症だが、大人が発症することもある。
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