長寿者が多い「5大地域」で判明した意外な共通点 "百歳人"に学ぶ元気で長生きするヒント

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ところで、長寿はいったいどのような要因で決まるのだろうか。

長寿には、大きくは遺伝など「先天的要因」と、社会環境や生活習慣などの「後天的要因」があり、これらのマルチプルファクター(複合要因)によるものと考えられている。なにか1つが特徴的に秀でていても長寿には到達できない。

長寿は遺伝だからと嘆く人もいるが、寿命への遺伝素因の寄与率はせいぜい15%から25%であることがデンマークの双子研究[1-3])を基に推計されている。生まれた後の要因のほうが最大75%とはるかに大きく、居住国の経済レベル、医療レベル、保健福祉政策、衛生環境の改善などの社会環境要因や、食、運動、休養のいわゆる健康三本柱、ストレスマネジメントなどライフスタイル要因が健康と長寿に大きく関係していることが明らかとなっている。

現代の長寿科学は、ゲノム解析をはじめ、ゲノム編集、再生医療、ビッグデータ駆使といった科学技術の進歩とともに歩んでいる。こうした最新のテクノロジーは、抗老化、寿命の延伸に大いに寄与してきたが、よりよく生きる、生き方への問いに答えられるものではない。

日本の健康長寿は131カ国中60位

そこで近年注目されるのが「健康寿命」である。健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」を示す。

ここに衝撃的数字がある。世界保健機関(WHO)が発表した最新の統計によると、日本人の平均寿命は84.3歳で長寿世界一。統計を遡ることができる20年前から、日本は長寿世界一の座を守り続けている。しかしながら「健康寿命」を見ると、平均寿命と健康寿命との差は9.3年で、調査が実施された世界131カ国中60位との報告もある[4])。

この数字を一人ひとりの人生に置き換えてみよう。意味することは明らかだ。

大切なのは長生きの中身、活き活きと輝く日々を過ごしながら長生きすること。長寿世界一を達成した日本の次なる課題として、生きがいある健康長寿をいかに達成するかが問われている。

そこで今の日本に届けたいのが、「ブルーゾーン」という概念である。

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