「親との関係」大人になっても悩む人がハマる心理 お互いの心が「癒着」してしまう事は何が怖いのか

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悩む女性
親子関係で問題が生まれる仕組みとは(写真:Pangaea/PIXTA)
大人になっても親から支配や依存を受けていて、そんな状態から脱出できずに苦しんでいる成人以降の子どもたちの数は少なくありません。
この日本では、親子関係の悩みをどこか他人に言いづらく感じてしまう人も多く、1人で抱え込んでしまいがちです。そして、自分だけが親を好きになれなくて、自分だけが親と仲良くできないと思い込んで、自己批判をしているなんてケースがたくさんありました。
大人になってからの親との関係に悩んでいる人たちを専門にサポートする親子関係カウンセラー、川島崇照さんの著書『嫌いな親との離れ方』から一部抜粋、再構成して親子関係の問題を作り出している原因と解決のヒントをお伝えします。

親と子どもの心がくっついている!?

「親との関係がつらい」

「いつでも干渉されて家の中に自分の居場所が感じられない」

「やりたいことがあっても否定されて許してもらえない……」

親子関係で悩んでいる人たちから、このような言葉がよく聞かれます。

日々、親との関係に苦しさを感じていて、顔色をうかがい、自分がどう生きたらいいのかわからなくなっている人は少なくありません。

私のカウンセリングへお申し込みいただいた相談者のお話をお聞きしていると、いつも気づくことがあります。そして、気づくたびに「この人も心が親とくっついてしまっているな」と感じます。

どういうことかと言うと、相談者は「親が●●をしてくれないから、私は■■ができません」とか「私は■■がしたかったのですが、親から●●と否定されて認めてもらえませんでした」のように言っていて、親がどう判断するかで自分がどう行動するのかを決めている人がたくさんいるのです。

こういった心理状態のことを『癒着』と呼びます。

癒着していると、親の気持ちが自分の気持ちであるかのように感じてしまったり、または子どもの気持ちが親の気持ちであるかのように感じてしまったりするという現象が起こります。

とはいっても、そんなに珍しい現象ことではありません。どんな親子関係でもあることだし、誰にでも起こりうることです。

ただし、癒着がひどい状態になっていると大きな問題が生み出されます。それは、自分の意志で生きられなくなるということです。

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